2014年8月5日、朝日新聞はこれまで認めなかった慰安婦強制連行に関する吉田清治氏の証言を虚報と認め謝罪した。これは歴史的な出来事であり、日本を不当に辱めてきた証拠を自ら否定した非常に大きな出来事となった。戦後の朝日新聞を考えた場合、この吉田清治氏の慰安婦強制連行という虚偽に事実が成立することにより、自らの正当性を保ってきた経緯がある。だからこそ、これを守ってきたし、これを否定することが出来なかったわけである。

 慰安婦をめぐる問題を考えた場合、当事者の多くが死去し当時の証言が取れない中で、事実関係を立証する「物証」となるものは、過去において文献になっている吉田証言以外存在しない。このため、これを否定することは、証拠能力のある唯一といってよい資料が失われたことを意味するのである。

 朝日新聞にとっての吉田証言の否定は、その後に書かれた朝日ファンタジーの否定にほかならない。朝日新聞は吉田証言を基に、朝鮮人の女性が強制的に売春させられたとして、日本や日本人の責任を問うてきた。しかし、これが「自発的」な売春行為となれば、話は大きく異なるわけである。朝日は自己正当化のために、本人の意志ではなく、生活維持など必要性に迫られそうせざる得なかったという「広義の強制性」という新たな定義を持ち出し保険をかけながら、吉田証言を盾に強制連行の事実は存在したという事実認定を変えなかった。この盾を自ら壊したのが8月5日の訂正記事なのである。

 その後、吉田調書問題など、他の不祥事が多数発覚し、慰安婦問題に関しても第三者委員会が設置され、同時に社長が責任を取り辞任する事になったが、これで朝日新聞で何かが変わったとは思えない。何故なら、第三者委員会の人選も朝日新聞の利害関係者ばかりであり、朝日新聞擁護のための委員会でしかなかったわけだ。そして、朝日新聞は非を認めたが、自社の読者や慰安婦報道で傷ついた日本や日本人の名誉について、何も被害回復を行っていない。

 朝日新聞は、これまで、慰安婦問題に関して、日本政府に対して、謝罪と賠償をセットで求め続けてきた。この理屈に従うのであれば、朝日新聞は謝罪だけでなく、読者に対する賠償と日本政府と日本人に対する名誉回復と賠償を行うべきなのだ。

 現在、朝日新聞は3000億円近い純資産を保有している。この全額とは言わないが、せめて半分程度を使い、被害回復のための基金を設立し、それをこれまでの記事の訂正と間違った報道により被害を受けた方に対しての賠償を行うべきである。1500億円もあれば、世界中に広告を出すことが出来るであろうし、世界各国で訂正のためのロビイ活動ができる。今までの経緯を考えた場合、これは当然の行いであるといえる。もし、それが出来ないのであれば、朝日新聞には、早急に報道の世界から、そして、日本社会からご退場いただきたいものである。