2017年09月14日 17:21 公開

パートナーと同居している女性は、男性よりもセックスに関心がなくなりがち――。セックスに対する英国人の態度を調べた研究で、こうした統計が明らかになった。

英医師会誌(BMJ)に13日掲載された、英サザンプトン大学とユニバーシティ・コレッジ・ロンドンの研究チームによる論文によると、男女ともに年齢が高くなるにつれて性的情熱は減退していくものの、長く続く関係でセックスへの関心を失いやすいのは女性の方だった。

1人以上の性的パートナー(同性・異性を問わず)がいると昨年答えた16~74歳の男性4839人と女性6669人を対象に調査した結果、男女共に全般的に、健康状態や心の触れ合いに問題があると、性的欲求は低下する傾向にあるという。

研究チームは、性欲の問題を解消するには、単に投薬で治療しようとするのではなく、その人の全般的な状態を見る必要があると指摘する。

「痛くて惨め」

セックス・セラピストのアマンダ・メイジャーさんは、セックスに関心がなくなること自体は必ずしも異常ではないし、性行為による何をどう必要とするかが変化するのは、男女とも様々な理由があると話す。

「セックスは自然で普通のことだという人もいれば、ただ痛くて惨めなだけだという人もいる」

調査対象となった男性の15%と女性の34%が、前年に3カ月以上にわたり、セックスに興味を失ったと答えている。

年齢的には、男性は35~44歳でセックスに関心を持たなくなるケースが最も多く、女性では55~64歳だった。

しかし研究チームは、女性にとって更年期が性欲減退に関係するという証拠は得られていないと指摘する。

一方で女性にとっては、家に子供がいることが何より、性欲を損なう要因だった。

心身の健康不良のほか、性行為中のコミュニケーションや感情的な結びつきが欠けていると、男女共にセックスに関心を持てなくなることも分かったという。

「英国の性行動とライフスタイルに関する全国調査」では、パートナーと「いつでもセックスについて話しやすい」状態にあると答えた人が、セックスに関心がないと答える割合は比較的低かった。それに対して、性行為に困難が伴うパートナーのいる人や、あまり幸せな関係ではないと答えた人ほど、何らかの段階でセックスへの関心を失ったことがあると答えていた。

女性の間では、「セックスへの関心の度合いがパートナーと食い違っている」、さらには「性的な好き嫌いが食い違っている」場合も、性欲減退に影響していた。

サザンプトン大学のシンシア・グレアム教授(性・生殖医療)は、今回の研究によって、男女の性欲減退の背景や治療法について理解が高まったと話す。

「性欲の問題はホリスティック(全体的)に、具体的な関係のあり方をベースに、かつ性別に応じて、状況を把握する必要がある。そして、治療が必要な場合もそうやって治療する必要がある。今回の研究で、そのことが浮き彫りになった」

薬を飲めばそれだけで何とかなる問題ではないと、グレアム教授は補足した。

「抗うつ剤だけでは済まない。その先を見るのが大事だ」

米食品医薬品局(FDA)は2015年8月に、初の女性向け性欲高進薬「フリバンセリン」を承認している。

アマンダ・メイジャーさんは、「セックスはとても個人的なことで、人にその内容を話すのは恥ずかしいこともある。けれども多くの場合、性生活を改善する最良の方法は話しをすることだったりする」


性欲回復のための5つのヒント

  • 先送りして問題をこじらせるより、早め早めに口に出して相談する。問題を無視すると別の問題を引き起こすこともあり、自分の中に不満がたまっていく。口にしにくい場合は、なぜ問題について話したくないのか、理由を探ってみる。
  • 手を握ったり、静かに言葉を交わしたり、優しく相手に触れたり、なでさすったりと、セックスそのもの以外の愛情表現を試してみる。
  • 相手に自分の気持ちや意見が伝わらないと思えば、セックスへの意欲の障害になる。なので、パートナーを大事に尊重していると、相手にきちんと伝える必要がある。
  • セックス・セラピストや心理カウンセラー、ふだんから診てもらっている総合診療医などにも相談する
  • リラックスする。セックスレスでも、お互いに納得してそうなったなら、仲良しのままでいるカップルは多い。

(英語記事 Women 'more likely to lose interest in sex than men'