2017年09月22日 14:32 公開

フィリピンで21日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領(72)が推し進め物議をかもす厳格な治安政策に抗議する集会に何千もの人々が集まった。

大統領の反対派は、ドゥテルテ大統領が戒厳令を復活させるかもしれないと公言していることや、多くの死者を出した容赦のない「麻薬戦争」を批判した。21日には、ドゥテルテ氏を支持する集会も開かれ何千もの人々が参加した。

一方、ドゥテルテ大統領の息子でダバオ副市長のパオロ・ドゥテルテ氏(42)は麻薬密売疑惑に直面している。

大統領は記者団に対し、疑惑が事実であればパオロ氏の殺害を承認すると語った。「お前が捕まれば私は殺害を命ずる。疑惑が事実であれば、私はお前を殺害する警察を擁護する」とパオロ氏に伝えたという。

上院委員会が調査を進めるなか、パオロ氏は今月初めに開かれた公聴会に出席。中国からフィリピンへの麻薬輸送に手を貸したとする申し立ては「噂とゴシップ」であり「根拠がない」と述べた。

犯罪と汚職の厳しい取り締まりを公約にしていたドゥテルテ氏は、2016年7月に大統領に就任した。

ドゥテルテ氏は市民と警察に対して容疑者たちを超法規的に殺害するよう繰り返し呼びかけており、国際社会から人権侵害にあたると批判されてきた。

独裁者フェルディナンド・マルコス元大統領が45年前に行ったのと同様に、ドゥテルテ大統領がフィリピン全土に戒厳令を敷くことを懸念するデモ参加者たちは、「殺害をやめよ」、「戒厳令にノー」などと書かれたプラカードを街頭で掲げた。

大統領選でドゥテルテ氏と同じ陣営ではなかったリベラル派のレニー・ロブレド副大統領は、マルコス政権下の圧制の記憶を思い出すよう、国民に呼びかけた。

「過去の記憶をとどめなければ、過ちを繰り返すことになる」と副大統領は言った。

ドゥテルテ大統領はマルコス一家に同情的な態度を取っていることを批判されており、圧制を強いた過去にも関わらず、マルコス氏を尊敬していると公言した。

デモは、マニラの大統領官邸前のほか、大学や軍本部前でも開かれた。

デモの中で大統領の肖像画が焼かれ、ロブレド副大統領は「独裁政治が勢いを得つつある」兆しがあることを国民は見逃すべきではないと警告した。

しかし一方で、反政権デモに対抗する集会にも多くのドゥテルテ支持者が集まった。ドゥテルテ氏への支持率も、物議をかもす政策や発言にも関わらず依然として高い。

(英語記事 Mass protest in Philippines over Duterte 'dictatorship'