その制度として、筆者は正社員であっても時間給にして単純に労働時間をかけるような給与体系にしてはどうかと考える。そうすれば、同一労働同一賃金にも耐えうることが可能ではないだろうか。

 一年中忙しい会社はほとんどなく(そんな会社は、組織のマネジメント不足である可能性が高い)、ある時期だけが忙しいことが多い。ゆえにもっと運用に弾力性を持たせるべきである。残業時間を厳しくすると、徒弟制度を取るような業界の技術力は間違いなく落ちるであろう。

 そもそも仕事とは、厳しい修行を経て一人前になっていくのである。修行と労働は明確に分けることが難しい。マッサージ店や美容室の時間外の店内で残って行う個人修行も残業時間だと上記ガイドラインでは規定されている。また、厳しくしすぎると残業代が払えなくなり、倒産する可能性も出てくるのではないか。結局、産業そのものに影響し、国力や日本の文化の衰退をもたらすであろう。

 うわべだけの残業規制は、仕事量が減らない限り、間違いなく持ち帰り残業が増えることになる。すなわち、逆にサービス残業の増大に繋がると考える。規制すればするほど隠れてやろうとするのではないだろうか。

 要は行き過ぎた規制が、経済活動を委縮させ、経済を停滞させるのではないか。そうなれば経済効果にマイナスの影響しかない。特にサービス業においては、人手不足も相まって大きなダメージになる。人手不足による倒産が増える恐れがある。

 さらに、大企業が残業規制を守り、納期の時間を今まで通りとしたならば、その下請けである中小企業にしわ寄せがくるであろう。中小企業が、長時間労働を課せられることになる可能性が高い。打ち合わせを土日にやらざるを得ない状況になるなど、残業規制が国の中小企業いじめに繋がる可能性もある。国は、下請けの弱い立場にある中小企業をこの問題から守らなければならない。

 また、働いて稼ぎたいと考えている労働者も多く、法律でその人の働きたいという権利を奪うことはいかがなものか。残業代を含めた給与水準を考えているケースがあるのも事実だ。
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 会社が残業をやりたい人、やらない人に分け、それぞれそれに対応した雇用契約書を作成して管理すればいいだけである。そして、例え残業をしない労働者でも優秀であるならば、出世できる仕組みを構築すればよいだけだ。

 個人の多様な働き方を目指すならば、個々人が契約により自由に労働時間を設定できるようなシステムにしていけばよい。これが本当の意味での働き方改革になり、一律に規制をかけることは時代にそぐわないのではないだろうか。