大正時代、憲政の常道を主唱した吉野作造は「黒幕を引きずり出せ。政界の支配者は、総選挙により国民の審判を受けよ」と訴え続けた。吉野は衆議院第一党の総裁が総理大臣たるという形式も大事だが、実質も大事だと説いた。

 与党第一党は、自由民主党だ。しかし今の自民党など、創価学会の孫請けにすぎない。安倍内閣で政権に返り咲いてから、一度も公明党に逆らった事があるのか。ならば山口首相でもいいではないか。

 安倍首相の代わりの選び方は簡単だ。山口那津男氏に公明党代表在任のまま、自民党に入党してもらう。そして自民党総裁選挙に立候補してもらう。もちろん対抗馬やその候補に投票した議員には、創価学会の支持は得られない。おそらく満場一致で山口自民党総裁が誕生するのではないか。最強の政治家が与党第一党総裁として総理大臣になる。憲政の常道の実現だ。形式的には。

 ただし、それが国益になるかどうかは保証しない。安倍首相は続投したいなら、「山口首相」ではできないことを正々堂々と訴えるべきだ。姑息にリアリストを気取る姿勢が孤高民の反感を買っていることに、いいかげん気づいたらどうか。あなたが民進党よりマシなのは、ほとんどの日本人が知っている。そして他に選択肢がないことに、嫌気も指しているのだ。

 しかし、そもそも政治家が官僚に言いくるめられる、あるいはケンカして負けて泣いて帰ってくるようなら、選挙の意味がないではないか。希望がないわけではない。トランプ大統領が国連で、横田めぐみさんの名前に言及しながら、北朝鮮を強く批判した。小泉内閣以来、最も拉致被害者奪還の好機到来だ。今からでも遅くない。
衆院解散について会見する安倍晋三首相=25日、首相官邸(斎藤良雄撮影)
衆院解散について会見する安倍晋三首相=25日、首相官邸(斎藤良雄撮影)
 「たった一人の国民の権利を総力あげて守るのが主権国家だ。日本国はすべての拉致被害者を取り返すために総力をあげる。我が国の国民を拉致し、日本列島を核兵器で沈めると豪語している国が隣にある。それでも我が国は核兵器を持ってはけないのか。国民の皆様に信を問いたい」

 これは「山口首相」には言えない。信者諸君から、「安倍さんにも言えないよ~」という甘やかした声が飛んできそうだが、そういう過保護な言論が、この体たらくを招いたのだ。

 何度でも言う。安倍内閣の評価は、安倍晋三首相が「山口那津男首相」がなしえないことをやった時に決まる。