2017年09月29日 11:31 公開

過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)は28日、指導者のアブバクル・バグダディ容疑者の音声とみられる録音を公開した。

録音内容には、北朝鮮が最近、核・ミサイル実験を活発化させ日本や米国を脅かしていることに触れていると思われる部分がある。

さらに、イラク軍が今年7月にISから奪還した北部の都市モスルなどでの戦いについても語っている。

米国はバグダディ容疑者の逮捕につながる情報に懸賞金250万ドル(約2億8000万円)を提示しているが、同容疑者は2014年7月に当時占領したばかりのモスルのヌリ・モスクでカリフ制国家の樹立を宣言して以来、公の場に姿を現わしていない。そのため、生死をめぐってさまざまな憶測がされてきた。

米主導の有志連合のライアン・ディロン報道官は、「彼の死の確かな証拠がないため、まだ生きていると推測せざるを得ない」と語った。

米国防総省の報道官はBBCに対し、「アブバクル・バグダディ容疑者の音声録音だとされるものについて把握しており、検証を進めている。真偽を疑う理由はないが、現時点で確認作業は終わっていない」と述べた。

イスラム教スンニ派に属し、市民や捕虜に対する残虐行為で知られるISは今年に入り、イラクとシリアに広がっていた支配地域を徐々に失ってきた。

今回インターネット上で公表された録音は長さ46分。同様の録音が最後に公開されたのは、昨年11月だ。

録音の声は、モスルのほか、シリアのラッカやハマでの戦闘についても触れ、流された血は無駄にならないと語っている。また、ロシアが仲介役を務めるシリア和平交渉についても言及。録音の大半は宗教的な内容で占められている。

<各勢力の支配地域の変化。オレンジ色がIS、緑がイラク軍、紫がクルド人勢力>

バグダディ容疑者は、イラクとシリアの国境沿いにあるIS支配地域に潜伏している可能性がある。

タハリール中東政策研究所のハッサン・ハッサン氏は、BBCに最近寄せた寄稿の中で、バグダディ容疑者の居場所を知るのはほんの数人しかいないと指摘している。このため米国は専門の特殊部隊を使ってバグダディ容疑者を行方を追っているものの、成果を上げられずにいる。

ロシアは今年6月、5月28日にラッカで実施した空爆でバグダディ容疑者が死亡した可能性が高いと明らかにした。その後間もなく、イラン政府高官が同容疑者は「確実に死亡した」と主張した。

しかし、これまでにも何度かバグダディ容疑者が死亡したとの情報が流されており、米政府関係者は慎重な態度を崩していなかった。

(英語記事 'New Baghdadi tape' posted by Islamic State group