条例第8条は、子供が同乗している自動車内における喫煙の制限(禁止)を規定している。将来は英国に倣い、子供が同乗している車内での喫煙に対しては、行政罰で裁判の不要な過料を科すのが望ましい。私的空間に対する行政の介入ではないかとの批判は当たらない。自家用車内は私的空間だが可視化されており、特段の監視装置がなくても、子供の同乗や車内の喫煙行為の有無を目視できる。子供が受動喫煙に限らず体罰を受けていることが確認されれば、行政が介入するのは当然である。

 条例第6条が規定している家庭等における受動喫煙防止については、家庭の中まで行政が監視することは実際には困難だ。しかし、第8条に子供が同乗している車内での喫煙禁止の規定がある事が、保護者の意識改革を促し、ひいては家庭内での受動喫煙防止にもつながると確信する。

 条例第7条の受動喫煙防止措置がなされていない飲食店・ゲームセンター・カラオケボックスへの子供の立ち入り禁止は、保護者に対する注意喚起にとどまらず、各店舗の完全禁煙化に拍車がかかるものと期待できる。また、コンビニ等の入り口周辺の受動喫煙対策も規定すべきであろう。
画像と本文は関係ありません
画像と本文は関係ありません
 条例第9条の公園等受動喫煙防止規定も、公園や広場のベンチが喫煙者に占領され、受動喫煙被害を受けずに公園を利用することが困難な現状を考えれば当を得たものである。特に児童が多く利用する児童遊園においては、喫煙を禁止すべきである。第10条の学校・福祉施設周辺、第11条の小児科医療施設周辺の路上での受動喫煙防止について、第11条では7m以内と具体的規定があるが、第10条でも同様の規定をするべきである。スポーツクラブ指導者などの学校利用者が、近隣路上で喫煙し、苦情が来ても具体的規定が無いと注意できないからである。

 また、第9・10・11条は、わざわざ分ける意味はなく、児童を含む不特定人々が利用する施設の周囲10メートル以内は一律禁煙とし、第8条の自動車内での規定と共に、罰則付きとすべきである。

 日本には、1900(明治33)年に施行された未成年者喫煙禁止法があり、120年以上前に、世界に先駆けて未成年を喫煙の害から守ろうと提案した衆院議員、根本正らの慧眼(けいがん)と功績は特筆に値する。第1条で「満20年に至らざる者は煙草を喫することを得ず」と規定し、続く条文で違反した親権者や代理監督者・販売者に対する罰則を定めている。当時は、受動喫煙の危険性については全く知られていなかったため、受動喫煙防止の条文は見当たらない。