【爆笑座談会】「禁煙ファシズム」に断固反対!

『コンフォール』 愛煙家通信 No.21 2017年夏号

読了まで27分

山路徹(ジャーナリスト APF通信社代表取締役)×
森永卓郎(経済アナリスト)×栗原裕一郎(評論家)
司会:山森貴司(喫煙文化研究会事務局長)


山森 今日は「禁煙ファシズム断固反対! 愛煙家大集合スペシャル」と題して、ニコニコ動画の配信元・ドワンゴの喫煙室からお送りいたします。
山路 本番中にタバコを吸えるなんてあり得ないですね。いまは控室でも吸えないでしょう。でも、こういう番組があってもいいですね。

森永 10年ぐらい前まで、『朝まで生テレビ』では吸えたんですよ。それがいつの間にかスタジオの隅に喫煙コーナーができて、今やスタジオからかなり離れた喫煙所まで行かないと、吸えない。CMの時間が2分か3分しかないので、猛ダッシュです。出演者によっても違うんですけどね。一流タレントは吸える。われわれ二流は吸えない。

山路 確かに昔、筑紫哲也さんが『ニュース23』の時に吸ってたもの。VTRに入るとバーンと灰皿を置いてね、マルボロにこうやって(火を点けて、煙を吐きながら)「見ようか」。(一同爆笑)

山森 「森卓さん、痩せた」というコメントが入っていますけど。

森永 ああ、そうなんです。某ライザップに通って、20キロ体重が落ちて、ウエストは23センチ縮んだんです。1年半前まで糖尿病だったんですけど、それも治っちゃいました。

山森 ダイエット中、タバコはどうしていたんですか。

森永 タバコがなかったら続けられないですよね。「今日も元気だ、タバコがうまい」って。

栗原 タバコにドクターストップはなかった?

森永 私の主治医はまったく言わなかったですね。これはお医者さんによっても、意見が分かれるんですけど、年を取ったら、禁煙するストレスの方が、健康に悪いって言いますよね。

山森 ところで、今日、5月31日はどういう日かご存じの方……。

森永 はい(挙手)! 今日は「世界喫煙デー」です。(一同爆笑)

山路 この間あるテレビ局に行ったら、喫煙ルームに「5月31日は禁煙デー」というでっかいポスターが貼ってあったんですよ。無言の圧力を感じましたね。嫌がらせとしか思えない。

山森 その通り、今日はWHО(世界保健機関)が定めた「世界禁煙デー」ですが、禁煙デーがあるなら、森永さんがおっしゃるように「世界喫煙デー」があってもいいですよね。

森永 何のために禁煙デーなんて定めるのか、全く理解できない。だって、別にいいじゃないですか。他人に迷惑をかけないで、バンバン吸えば、社会保障は確実に良くなる。厚生労働省の研究班の調査によると、タバコを吸うと3年半寿命が縮む。だったら、その3年半、年金を支給しなくて済むわけでしょう。年金給付財源が、大体30パーセント以上カットできる。

 だから一度ね、厚生労働省に直談判に行ったことがあるんですよ。私、ノーギャラで出るから、「タバコを吸って、早く死のう 社会保険庁」、こういうポスターを作りませんかって。(一同爆笑)

実際の喫煙率は意外と高い?

世界一規制が厳しい日本




山森 ここで視聴者アンケートに行きます。あなたはタバコを吸いますか? 「①吸う」「②IQOS(アイコス)のような電子タバコを吸う」「③吸わない」……おっ! すごい。「吸う」が54・7%……。JT調べでは全体の喫煙率は19・3パーセントというデータがあるんですけどね。

森永 それは「吸っている」と言いにくい世の中になったという影響もあるんじゃないですか。
山森 「IQOSのような電子タバコを吸う」人が1・8パーセント。

森永 意外と少ないですね。

山森 栗原さんはIQOSじゃないですか。

栗原 はい。最初は興味なかったんですけども、すごい品薄で、手に入らないと言われると欲しくなるじゃないですか。どうすれば買えるのかなと思って、ふらっとセブンイレブンに入ったら、たまたまあったんですね。それで、買って吸い始めたんですけど。

森永 どうですか?

栗原 うまくないですね(笑)。

森永 日本は世界で最も遅れた喫煙大国だってよく言いますよね。だけど、海外では大体、屋外や路上はOKなんですよ。飲み屋とかに行くと、テラスで吸える。だけど、日本は狭いからテラスがない。で、路上では一切禁止。世界で一番喫煙規制が厳しいのは、私は日本だと思いますよ。

山路 2020年オリンピックまでに禁煙を徹底するという話があるじゃないですか。けれど、海外からくる人たちの中には、当然スモーカーもいるわけでね。そういう人たちに対してはどうなのかなって思ってね。

森永 いまの厚生労働省の屋内全面禁煙法案の一番の問題は何かって言うとね、元々受動喫煙防止って言っていたのが、今の法案の中身というのは、喫煙者を殲滅(せんめつ)しようという方向になっているでしょう。

山路 そもそも喫煙者をなくしてしまえというのが今の厚労省なんですよ。

森永 レストランとかで、完全に仕切られた喫煙ルームを作るというのは、新しい法律の下でもOKなんですけど、その喫煙ルームに飲食を提供したとたんに、罰則の対象になるんですよ。喫煙ルームに料理を運ばせたら、配膳係が受動喫煙の害を受けるから。それなら喫煙者の客が厨房まで料理やお酒を取りに行けばいいじゃないかというと、それもだめなんですよ。だから結局、問題は受動喫煙じゃないんです。喫煙者というマイノリティを……。

山路 まさに殲滅しようと。だから、この喫煙とか禁煙の問題ってね、健康の問題以前に、やっぱり僕は民主主義の問題だと思いますよ。われわれのような少数派が生きていける社会でなければ民主主義の国ではないわけでね。ただ、ちょっと気持ち悪いのは、環境がそうなっていくと、自分の心の中に抑制的なものが働くようになるんですよ、ファシズムに負けていきそうなね。喫煙者だということがイコールだめな人間であるかのような雰囲気があるじゃないですか。だから口に出しづらくなって、声を上げるのも難しくなるという……それはやっぱりちょっと危険だなって思う。

 戦争が起きる時ってそうなんですよ。みんなが戦争に向かって行くと、言葉に出せなくなっていく。だからナチス支配下のドイツ人にもナチスに反対していた人がいるんですよ。けれどもそれは声として響いていかなくなってしまう。

独裁者と禁煙運動

森永 山路さんがおっしゃったことはとっても重要でね、ヒトラーにしろ、ムッソリーニにしろ、独裁者は禁煙運動を推進するんです。結局、自分と違うライフスタイルの存在を認めないということです。

山森 『禁煙ファシズムと戦う』という本を出された栗原さんは、その点いかがですか。

栗原 うーん、やっぱり副流煙の問題ですよね。煙が出るようなものでなければ、個人の嗜好ということで、勝手にすればっていう話だと思うんですけど、副流煙で二次被曝とか、三次被曝とか今取りざたされているじゃないですか。問題はそこなんですよね。
森永 でも、例えば明日から量販店とかスーパーで安く売っているお酒が一斉に値上がりするんですよ。政府から調査が入って、適切な利益を確保していないということになると勧告が行われて、従わなければ処罰されるんです。別に赤字を出して売っているわけではないんですけど、なぜ安い値段で売れるかっていうと、メーカーから報奨金が出るんですよ。それを値段に織り込んでいるんですね。あらゆる食品がそういう構造になっているのに、なぜお酒だけが狙われたかって言うと、お酒は健康に良くないからといういじめでしかない。

 で、まだ法案にはなっていないんですけど、いま厚生労働省は喫煙対策と同時に、新しくアルコール対策の部署を作って……例えばね、居酒屋で飲み放題コースを禁止するって言っているんですよ。

山路 それはおかしいですよね。

森永 要するにタバコも吸わなきゃお酒も飲まないというライフスタイルを国民全体に強要しようとしているんです。

 だけどね、そんなのはほっといてくれって。だってサラリーマンをやっていたら、必ずバカな上司とかわけのわからない客がいて、ストレスがたまるわけですよ。それで居酒屋に行って、「バカヤロー」って上司の悪口を言いながら酒を飲んで、タバコをバーッて吸うのが一般的なサラリーマンの姿だった。酒もタバコも禁止されたら、それは長生きするかもしれないですよ。でも、それで長生きして何が楽しいんだっていう話ですよ。

山森 小池百合子都知事の都民ファーストの会では、オリンピック・パラリンピックに向けて独自の受動喫煙防止条例を制定すると言っています。室内全面禁煙は当然で、家庭でも子供がいる場合は吸ってはいけない。努力義務にするのか、罰則をつけるのかはまだ検討中らしいんですが、家庭生活まで規制される恐れがあるわけです。

山路 家庭でもだめなの? ああ、恐ろしい。

森永 それこそライフスタイルへの権力介入ですよ。

栗原 猪瀬直樹さんが最近IQOSに替えたんですが、某週刊誌によると、小池さんからもらったらしいですよ。

山路 何で小池さんが猪瀬さんにIQOSをプレゼントするんですかね。

栗原 何かそのへんで、いろいろ忖度があったらしいですよ。(一同爆笑)

森永 猪瀬直樹さんはすごいヘビースモーカーで、『朝まで生テレビ』の打ち合わせをしている部屋で、猪瀬さんがタバコに火をつけたんですよ。そうしたら、ディレクターが血相を変えて飛んできて、「猪瀬さん、ここ禁煙なんで」って言ったら、「知ってるよ」って。(一同爆笑)それでディレクターが灰皿を持ってきたんですよ。テレビ朝日にも灰皿はあるんだな(笑)。

古きよき曖昧さ…

「曖昧なやさしさの社会」崩壊



森永 国鉄の民営化の時には、鉄道共済が破綻状態だったんですね。その旧国鉄職員の年金の支払いにタバコの税金を当てているんですよ。だから私は「JRに禁煙を強制する権利はない」って言ったんですけど、JR東日本は聞く耳を持たない。

 私はタクシー会社にも提案したんです。お客がタバコを吸えるタクシーを、タバコから煙が出ているマークの行燈をつけて走らせたらどうですかって。そうしたら、「そんなことをしたら、嫌煙団体が押し寄せて会社はつぶれてしまいます」って言うわけ。

山路 それこそファシズムですよ。JR東海には喫煙車両があるから、それを探して乗るんだけど、この間、時間に遅れそうになって滑り込みセーフで乗り込んで、席に座っていざ吸おうと思ったらタバコを切らしていた。三島で止まるひかり号だったから、車掌さんが三島のキオスクが開いていると思いますからと、わざわざ扉まで案内してくれて、「3分くらい止まりますから、どうぞ」って。ところが、キオスクがもう夜で閉まっていて、車掌さんが申し訳なさそうな顔をしていた。
森永 JR東海はまだましで、JR東日本は全部禁煙なんですよ。それでたばこを吸う唯一の手段は、秋田新幹線と山形新幹線は福島と盛岡で切り離すときに2、3分止まるので、その瞬間にダッシュして、喫煙所でパーッとタバコを吸って戻る。ところが、これがすごく危険で、ちょっとでも遅れたら、荷物だけ先に行っちゃう。

栗原 吸わない人はそういう喫煙者の泡食った姿というのも嫌いなんですよね。喫煙所でせせこましく吸っている姿というのも嫌いだし、あと、副流煙の害がどうこうという統計的な話よりも、匂いが嫌だという人が多いと思うんです。

山路 匂いが嫌だというのなら、タバコだけじゃなくて、加齢臭とかいろいろあるじゃない。

森永 いやいや加齢臭だけじゃなくて、私、通勤電車に乗っていたとき、女の人の香水の匂いで、吐きそうになったことがある。

山路 匂いがイヤだって言われてもねえ。別に匂いで健康被害が及ぶということはないわけだし。

栗原 まあ、加齢臭はしょうがないじゃないですか。でも、タバコは主体的に吸うものですから。

山路 (栗原さんを指して)さっきから隅っこで禁煙者みたいなことを言っているよ。

栗原 だってみんな同じ意見を言っても、しょうがないじゃないですか。(一同爆笑)

森永 私、昔専売公社にいたんですが、受動喫煙の影響を調べる時は、ジュラルミンか何かでできた、もう超完全密閉空間の中で、計測するんです。そうしないと、影響が出ないんですよ。だから、外で吸っていて大きな受動喫煙被害があるというのは、少なくとも病理学的には、まったく立証できないんだと思いますよ。

山森 私、厚生労働省に電話をして聞いたんです。受動喫煙に対して明確な定義がない。では例えば東京ドームの一塁側でたばこを1本吸ったとすると、三塁側の人が受動喫煙の被害を受けるんですかと。そうしたら「そうです」と答えたんです。

山路 ええっ。

森永 だからそこが一番の問題で、もうタバコの微粒子ひと粒たりとも許さないという……。だって世の中、人間が暮らしていれば、騒音にしても、いろんなことで摩擦は起こるわけですよ。かつての日本は、私は「曖昧なやさしさの社会」って呼んでいたんですけど、お互いちょっとずつ我慢をして、みんなで共存しましょうよっていうことだったんですけれど、いつのまにか自分たちの権利を全面的に主張する社会になった。

 例えばアメリカだと、パーティに呼んだ友人が、真冬だったから庭の飛び石が凍り付いていて、滑って転んでけがをした。そうしたらその友人が、招待した側を庭の管理不届きで、裁判で訴えた。これがみんなが権利を主張する社会なんですね。

タバコ問題が派生した背景

栗原 タバコが問題になる前に日照権がある。日照権の問題から派生して、たばこの嫌煙権に発展するという流れがあるんです。だから嫌煙権というのは発見されたものだったんですね。たぶん受動喫煙について100パーセントの因果関係を証明することはできないと思うんですよ、いつまでたっても。でも、可能性があるというレベルでも、「嫌だっていう人の人権は?」という話になっちゃう。じゃあ吸う人の人権と吸わない人の人権はとなると、やっぱり吸わない人の人権の方が強いわけですよね。微粒子1個たりとも許さないというPM2・5的な主張も成立してしまう。分煙も結局、喫煙ルームから出た瞬間にタバコ微粒子がまとわりついて出てくるという。
森永 そこまで極端な権利主張をするのはたぶん一部の人、せいぜい2、3割の人がそう思っているだけで、タバコを吸う人が2割とすると、その中間層の6割ぐらいは、まあ、横で吸われたら嫌だけど、1粒たりとも許せないというほどではない人たちじゃないかな。

加齢臭とフェロモン




栗原 でも最近は三次副流煙みたいなことが言われているじゃないですか。髪の毛とかについているタバコの匂いとか、粒子が、健康被害を起こすんだっていう論調が出てきている。やっぱり匂いだと思うんですよね。一番嫌なのは。おじさんが嫌がられるのは加齢臭じゃないですか。

森永 そこら辺はどうなんですか、山路さんは? 加齢臭も口説きの道具に使っているんですか。(一同爆笑)

山路 僕には加齢臭はないんですよ。この間ある番組で、男の匂いというのをやったんだけど、僕にはなかったの。

森永 はあ……それがモテる要因ですか。(一同爆笑)

山路 あのね、番組でやっていたのはね、男の匂いは男には分からない……女にしか分からないんだって。

栗原 それは加齢臭とも違うんですか。

山森 加齢臭っていうけれど、実はそれはフェロモンの一種で、いやな匂いがするから加齢臭という言い方をしているだけなのかも。

栗原 嫌いな人の匂いは加齢臭で、好きな男のはフェロモン。あ、でもタバコも人によりますよね。「タバコの匂いがした」って宇多田ヒカルも歌っているじゃないですか。

山路 前にアニメかなんかで、戦時中の話なのに、タバコのシーンが出てくるからって圧力団体みたいなのが抗議したことがあったじゃないですか。

山森 宮崎駿監督の『風立ちぬ』ですね。日本禁煙学会が猛抗議しました。

山路 それもありえない話でね。その時代の文化まで否定してしまうんじゃね。

栗原 でもあの団体はタバコが出てくるかどうかで、映画の価値を決めますからね。喫煙シーンがあるともう0点ですから。ハリウッドでも、昔の映画から喫煙シーンをCGで消しちゃったりするという傾向があるじゃないですか。

山森 自主規制ですね。先ほどの森卓さんのタクシーの話も実は法律で決まっているんじゃない、自主規制なんですよね。

森永 そう。この間、福岡で個人タクシーに乗ったら、「タバコ吸っていいですよ」って言うんです。「福岡にも喫煙タクシーはあるんですね」って喜んで吸い始めたら、「僕はライフワークとして抵抗しているんですけど、ついに福岡では僕だけになりました」って。

山森 もし法律や条例で禁止されたら、飲食店はどうなるんですかね。

森永 アメリカの禁酒法の時代とまったく同じことが起こると思いますよ。地下に潜って、喫煙居酒屋というのが出来て、見張りが「警察が来たぞ」って言うとパッとたばこを消して……。

栗原 でも匂いが残るじゃないですか。

森永 だからそこに癒着が生まれるんですよ。たぶん暴力団の資金源になって行くんじゃないかな。アメリカでまさにそれが起こったわけですよね。

分煙と経済学の関係性

栗原 経済学的にはどうなんですか。お店が主体的に禁煙、喫煙を分けて、それをお客さんが選べばいいだけですよね。

森永 それが自由主義経済の基本。

栗原 そこをお上が規制しようとするから、話がおかしくなる。

森永 横浜市が先進的に禁煙条例を作って、飲食店でタバコを吸わせないようにしたんです。そのときに、松沢成文さんが県知事をしていたのかな。で、「何でそこまで喫煙者いじめをするんですか。僕はもう横浜では二度とお酒を飲みませんよ」って言ったら、「それでもいい」って……。「何でいいんですか」って聞いたら、松沢さんは「これは僕の信念です」って答えたんです。

山路 信念と言えば聞こえはいいけどね、結局、独善的な正義みたいなものじゃないですか。ネットでいろいろ書き散らしている意見が、社会を闊歩している感じで嫌ですよね。

森永 結局数の暴力ですよね。明らかに潮流が変わったのは、男性の喫煙率が、5割を切った瞬間から。それから猛烈な圧力がかかるようになったんですよ。過半数を制したら、何をやったってかまわないっていう思想が背景にあるんじゃないかなって。

山路 嫌な世の中だな。

タバコ嫌いの彼女とは別れなさい



ドワンゴ ここで視聴者の皆様から寄せられたご意見やご感想を紹介したいと思います。まずは東京都の36歳男性です。「私の住んでいるマンションでは、最近ベランダでタバコを吸うことができなくなりました。そんなマンションならそもそも大金を出して買わなかった。だまされた気分でいっぱいです。管理人に文句を言いたいのですが、どのような言い方をすれば、角を立てずにこの悔しい気持ちを伝えることができるでしょうか」
山森 これ、実は裁判になったことがありました。ベランダで吸うのは傍迷惑だという結論が出て5万円の罰金刑が適用されています。

山路 それはタバコを吸うと、隣の洗濯物に匂いが付くとか、そういう実害がやっぱりあったということなのかな。換気扇の下で吸うのはだめなの?

栗原 換気扇も結局ベランダと変わりませんね。

森永 私は部屋の中で普通に吸っているんですけど、最近の空気清浄機は結構いいので、大丈夫ですよ、部屋の中で吸っても。

山路 それか最高裁まで戦う。

ドワンゴ 次の質問に行きます。「付き合って3カ月の彼女がいるのですが、タバコの煙が嫌いなため、僕が吸った後は、いっしょにいてもイチャイチャさせてくれません。彼女にタバコの良さを知ってもらうにはどうしたらいいでしょうか」。

山路 タバコの良さを知ってもらおうなんて思わないほうがいい。それは押し付けになるから。僕は女性と言わず男性でもタバコを吸わない人の前では吸わないんですよ。

森永 でも匂いは残るじゃない。

山路 会う時は吸わなきゃいいんじゃない。

栗原 でも一緒に住んでいるんじゃないですか。閉鎖空間で2人きりの時はどうするんですか。

山路 でもね、煙がだめだとか、匂いが嫌だとか言っている女性と彼とはそもそも合わない。相性の問題です。別れなさい。(一同爆笑)。

 いやこれ冗談じゃなくて、一事が万事で、むりやり一緒にいても、やっぱりそういう問題が出てくるから。僕はきっぱり別れた方がいいと思いますよ。

栗原 それ、強者の論理だと思うんですよ。モテ男の論理。

山路 そんなことないですよ。

森永 好きになると運命の人だって思い込みがちですけど、意外と他の人でもOKだったりするので、だめだったらすぐ次を探すというのでいいんじゃないかと。

ドワンゴ 続いての質問に行きます。「たばこが嫌いな女子大生です。山路さんの大ファンなのですが、山路さんがタバコを吸っていることだけが、マイナスポイントです。好きな女性からタバコをやめてと言われたらやめてくれますか」。

山路 僕はやめられないなあ。何かを選んだり、何か物を買ったりする時にね、男って女の子を基準に考えるんですよ。これ買ったら女の子に受けるかなとか、モテるかなとか。僕はその考え方は10年前に捨てたんです。自分の人生を生きているのに、他人に何か言われたくないっていうかね。だから申し訳ないんだけど、やめません。

ジャニーズが吸ったら…

「喫煙」を過疎対策に



栗原 例えばキムタクは、ドラマの決めのシーンでいまもタバコを吸ったりするじゃないですか。あれをどういう風にみんな見ているのか知りたくてね。
一同 ああ。

山森 それアンケートかけますか。

栗原 ジャニーズがたばこを吸うシーンはカッコいいと思うかどうか。

森永 カッコいいんじゃないですか。私、テレビ局で3メーター先にキムタクを見かけたことあるんですけど、すごくカッコいいんですよ。オーラが全然違う。

ドワンゴ アンケートの結果が出ます。

一同 おおお。

山路 ほら、半数近い。

森永 だから喫煙シーンが何でもかんでもバツっていうのは、やっぱり文化への冒瀆だと思うんですけどね。そのシーンが悪いってみんなが思うんだったら、結局、その映画とかテレビ、誰も見なくなるんだから。ほうっておけば自然に淘汰されるものを力によって押さえ込むというのは……。

山路 スクリーンから匂いはしないし、受動喫煙もないわけだから、映画ぐらいはちょっと勘弁してもらわないとなあ。

栗原 タバコの広告が規制されたのは、青少年に悪影響があるからというロジックですよね。それをカッコいいと思わせてしまうような演出が良くないという。それを見て未成年者が喫煙を始めてしまう恐れがあるというロジックで規制されていったんですよね。

山路 いま転換期に来ていて、これがもうちょっと成熟してくると、広告を打っても吸わない人は吸わないし、カッコいいとも思わないようになる時代や世の中が来るとは思うんですよ。いまはこの混乱期をどう乗り越えるかというのが大事で、だからこそあんまりファシズムで押されてくると、何にも生まれない。むしろ成熟させるために、もうちょっと少数派の存在を認めるべきじゃないか。

森永 そう、だから、共存共栄の道をどう探るかという建設的な議論をしなきゃいけないのに、喫煙者いじめだけに走っているのがおかしい。

栗原 でも人権とか、民主主義の問題とかはありますけど、この趨勢で行くと、われわれは淘汰されますね(笑)。

森永 ここまで来たら、日本を県別に喫煙県と非喫煙県と非武装中立県に三分割するのがいいんじゃないかと思う。

山路 緩衝地帯かなんかを作ってね。それは過疎対策になりますよ。タバコを吸いたい人はこの村に来てくれれば吸えるぜって。そうしたら喫煙者がワーッと集まる。

栗原 喫煙県はやっぱりドームで覆うわけですか。

森永 いや、いや。高い壁で仕切れば、オープンエアですから大丈夫ですよ。そして真ん中に非武装中立県を作る。

栗原 でも、IQOSを吸っていると、匂いがそんなに気にならないはずなので、いずれこっちにいくんじゃないかという気がするんですが、森卓さん、どうですか。

森永 サンプリングやっている時に1回吸わせてもらったんですけど……うーん、ちょっと勘弁してほしいです。

山路 手を出す気にもなれないなあ。僕はセブンスターひと筋なんで。

森永 はあ……(溜息)。いやまあ、いろいろ環境は厳しくなりつつありますけど、私、個人的にはたばこを吸い続けて早く死んで行こうと思います。……社会に迷惑をかけず、多額の税金を納め……別に仲間を巻き込もうとは全然思っていないので、ただ一言……ほっといてほしい。(一同笑)

始める前に、まず一服……

やまじ・とおる
昭和36年、東京都生まれ。TBSテレビ、テレビ朝日系プロダクションを経て、平成4年に独立し、国内初の紛争地専門の独立系ニュース通信社APF通信社を設立。ビルマ、ボスニア、ソマリア、カンボジア、アフガニスタンほか、世界の紛争地を精力的に取材する。近年は、国内の事件、事故、災害、社会問題などの調査報道にも取り組む。

もりなが・たくろう
昭和32年、東京都生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等を経て、平成3年から(株)三和総合研究所(現:三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング)の主席研究員。現在は獨協大学教授。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。ミニカーなどのコレクターとしても有名。

くりはら・ゆういちろう
昭和40年、神奈川県生まれ。東京大学理科一類除籍後、文芸、音楽、美術、経済など多岐にわたるジャンルで評論活動を行う。平成17年、小谷野敦・斎藤貴男氏との共著『禁煙ファシズムと戦う』(ベスト新書)を上梓。20年、『〈盗作〉の文学史』(新曜社)で第62回日本推理作家協会賞を受賞。近著に『現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史』(共著。イースト新書)

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