「喫煙」を過疎対策に



栗原 例えばキムタクは、ドラマの決めのシーンでいまもタバコを吸ったりするじゃないですか。あれをどういう風にみんな見ているのか知りたくてね。
一同 ああ。

山森 それアンケートかけますか。

栗原 ジャニーズがたばこを吸うシーンはカッコいいと思うかどうか。

森永 カッコいいんじゃないですか。私、テレビ局で3メーター先にキムタクを見かけたことあるんですけど、すごくカッコいいんですよ。オーラが全然違う。

ドワンゴ アンケートの結果が出ます。

一同 おおお。

山路 ほら、半数近い。

森永 だから喫煙シーンが何でもかんでもバツっていうのは、やっぱり文化への冒瀆だと思うんですけどね。そのシーンが悪いってみんなが思うんだったら、結局、その映画とかテレビ、誰も見なくなるんだから。ほうっておけば自然に淘汰されるものを力によって押さえ込むというのは……。

山路 スクリーンから匂いはしないし、受動喫煙もないわけだから、映画ぐらいはちょっと勘弁してもらわないとなあ。

栗原 タバコの広告が規制されたのは、青少年に悪影響があるからというロジックですよね。それをカッコいいと思わせてしまうような演出が良くないという。それを見て未成年者が喫煙を始めてしまう恐れがあるというロジックで規制されていったんですよね。

山路 いま転換期に来ていて、これがもうちょっと成熟してくると、広告を打っても吸わない人は吸わないし、カッコいいとも思わないようになる時代や世の中が来るとは思うんですよ。いまはこの混乱期をどう乗り越えるかというのが大事で、だからこそあんまりファシズムで押されてくると、何にも生まれない。むしろ成熟させるために、もうちょっと少数派の存在を認めるべきじゃないか。

森永 そう、だから、共存共栄の道をどう探るかという建設的な議論をしなきゃいけないのに、喫煙者いじめだけに走っているのがおかしい。

栗原 でも人権とか、民主主義の問題とかはありますけど、この趨勢で行くと、われわれは淘汰されますね(笑)。

森永 ここまで来たら、日本を県別に喫煙県と非喫煙県と非武装中立県に三分割するのがいいんじゃないかと思う。

山路 緩衝地帯かなんかを作ってね。それは過疎対策になりますよ。タバコを吸いたい人はこの村に来てくれれば吸えるぜって。そうしたら喫煙者がワーッと集まる。

栗原 喫煙県はやっぱりドームで覆うわけですか。

森永 いや、いや。高い壁で仕切れば、オープンエアですから大丈夫ですよ。そして真ん中に非武装中立県を作る。

栗原 でも、IQOSを吸っていると、匂いがそんなに気にならないはずなので、いずれこっちにいくんじゃないかという気がするんですが、森卓さん、どうですか。

森永 サンプリングやっている時に1回吸わせてもらったんですけど……うーん、ちょっと勘弁してほしいです。

山路 手を出す気にもなれないなあ。僕はセブンスターひと筋なんで。

森永 はあ……(溜息)。いやまあ、いろいろ環境は厳しくなりつつありますけど、私、個人的にはたばこを吸い続けて早く死んで行こうと思います。……社会に迷惑をかけず、多額の税金を納め……別に仲間を巻き込もうとは全然思っていないので、ただ一言……ほっといてほしい。(一同笑)

始める前に、まず一服……

やまじ・とおる
昭和36年、東京都生まれ。TBSテレビ、テレビ朝日系プロダクションを経て、平成4年に独立し、国内初の紛争地専門の独立系ニュース通信社APF通信社を設立。ビルマ、ボスニア、ソマリア、カンボジア、アフガニスタンほか、世界の紛争地を精力的に取材する。近年は、国内の事件、事故、災害、社会問題などの調査報道にも取り組む。

もりなが・たくろう
昭和32年、東京都生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等を経て、平成3年から(株)三和総合研究所(現:三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング)の主席研究員。現在は獨協大学教授。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。ミニカーなどのコレクターとしても有名。

くりはら・ゆういちろう
昭和40年、神奈川県生まれ。東京大学理科一類除籍後、文芸、音楽、美術、経済など多岐にわたるジャンルで評論活動を行う。平成17年、小谷野敦・斎藤貴男氏との共著『禁煙ファシズムと戦う』(ベスト新書)を上梓。20年、『〈盗作〉の文学史』(新曜社)で第62回日本推理作家協会賞を受賞。近著に『現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史』(共著。イースト新書)