その勝負勘で政界を乗り出してきた小池氏に対し、続々と内部からも反旗を掲げる動きが広がっている。まず、自ら作った東京都議でつくる都民ファーストから、一時期は「側近中の側近」と呼ばれた音喜多駿氏と上田令子氏の2人の都議が離党を発表。東京都議団の一人はこう語った。
離党の決断理由を述べる上田令子都議(右)と音喜多駿都議=5日、都庁(宮川浩和撮影)
離党の決断理由を述べる上田令子都議(右)と音喜多駿都議=10月5日、都庁(宮川浩和撮影)
 「小池氏のおかげで当選した都民ファーストだが、自分でつくっておいて責任を取らない小池氏をやり方に内心苦々しく思っている都民ファーストの議員も少なくない。もし小池氏が土壇場で衆議院出馬を表明し、都知事を投げ出せば、離党するかもしれないと言われている都民ファースト議員が7人いると言われている」

 また、国会議員の中からも、長野1区の篠原孝元農水副大臣のように、一度希望の党の公認が決まったにもかかわらず、辞退する政治家も現れている。これは、「すべて想定内だ」と語った前原氏への不満もあるとされているが、小池氏のやり方にはついて行けない人間が続々と出始めているのだ。

 私自身は、小池氏に対して、アメリカを中心とするGHQによる占領期と日本の55年制の下、日本を内側から弱体化することに躍起となってきた左翼・リベラル陣営をこなごなに粉砕したことに対しては大いに評価している。「何でも反対」で、日本にはすでに必要がなくなっていた左翼リベラルを重視するよりも、安全保障や経済の観点から、現実的で自由主義的な保守が侃々諤々(かんかんがくがく)と議論する陣営を日本社会の中枢に置かなければ、日本の未来はないーと考えているからだ。実際に、今回小池氏が仮に出馬しなくても、比例区を合わせれば100近い獲得議席に到達できる力はあるだろう。

 しかし、それにしても、小池氏はやりすぎた。日本人同士のごく普通の人間関係まで何でも「しがらみ」と語り、「改革」をぶち上げて、敵を破壊していくやり方は、新党ブームだった90年代から今世紀に入って、すでに終わったものであり、敵を増やすことを嫌がる日本人からは受けないと思われるからだ。

 この小池氏の評価は、必ず歴史に残る。小池氏が後世の日本人たちから、果たして本当に「現代の日野富子」と呼ぶようになるかどうかは、そのうちわかるに違いない。