一方、民主党のクリス・マーフィー上院議員は議会が銃規制強化に関する法案成立を怠っていると批判する声明を発表。議会は早急に対応すべきだと訴え、自らは銃購入者の経歴調査を強化する法案を提出すると語っている。民主党の指導者であるナンシー・ペロシ下院議員もポール・ライアン下院議長に対して経歴調査を強化する法案の採決を行い、同時に銃に関連する犯罪を抑制するために特別委員会を設置するように要求した。
米ラスベガス銃乱射事件の犠牲者を悼み、ホワイトハウスで黙とうするトランプ大統領夫妻(手前左)とペンス副大統領夫妻=2日、ワシントン(ロイター=共同)
米ラスベガス銃乱射事件の犠牲者を悼み、ホワイトハウスで黙とうするトランプ大統領夫妻(手前左)とペンス副大統領夫妻=2日、ワシントン(ロイター=共同)
 ところが、アメリカ議会では現在、まったく逆の法案が審議されている。それはサイレンサー(銃の消音装置)購入の規制緩和を求める法案である。同法案は民主党が反対し、共和党が賛成している。

 銃保有が禁止されている日本から見れば、アメリカで行われている議論は理解しにくい。先に指摘したように、リベラル派は銃規制強化を求めることはあっても、銃保有を禁止すべきだとは主張していないことだ。その背景を理解するには、アメリカ人の銃に対する意識を理解する必要がある。

 世論調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が実施したアメリカ国民の銃に対する意識調査結果(2017年6月)の結果によると、何らかの形で銃を保有していると答えた比率は42%に達している。また、今まで一度も銃を持ったことはないという回答は55%であった。そして銃保有者の66%が複数の銃を保有していると回答。29%が5丁以上の銃を保有している。

 さらに注目されるのは、銃保有の理由である。銃保有者の74%が「自由を守る」ために必要だと答えている。中でも特徴的なのは、白人男性の48%が銃を保有していると答えているのに対して、非白人男性では24%に過ぎないということだ。非白人女性ではわずか16%に過ぎない。地域で見れば、南部での銃保有比率は高い。南部では、父親が息子に銃の撃ち方を教えるのは日常的なことだという。

 銃保有の理由では、自己防御が67%で最も多く、狩りが38%、スポーツ射撃が30%、銃収集が13%。要は、銃保有者の大多数は自分を守るために銃が必要だと考えているのである。さらに銃保有者の38%が自宅で常に銃弾を装填し、すぐに取り出せる場所に置いていると答えている。