こうした期待を踏まえ、つい最近までこんな見方があったのも事実だ。

 橋下氏が維新の会から(比例ででも)総選挙に出馬し、希望の党は総選挙後の首班指名で橋下氏に投票するというシナリオ。小池氏が総選挙に不出馬なら、橋下氏の出馬で安倍総理の対抗の顔は橋下氏で闘うということだ。橋下総理誕生の道をそう読む見方が、かなり信憑性をもって流されていたようだ。逆に小池辞任なら次期都知事に橋下氏という話もあった。

 この手の憶測は常になくならないが、もっと踏み込むと、希望・維新が選挙協力で掲げた共通政策、①地方分権の大改革②成長戦略の大改革③安心の暮らし創造の大改革、は筆者も支持する。それを実現するために橋下氏は動くべきではないか。それは単に衆院選に出るべきという話に限定しない。

 より実質的にこの政策を主導することを期待したいのだ。当面、3都ネットワークの民間代表として仕切る形でよい。もっというと国鉄、電電、たばこ専売の民営化など「増税なき財政再建」を仕掛けた元経団連会長の土光敏夫氏が会長を務めた第2次臨時行政調査会(土光臨調)に次ぐ「第3次臨調」の総指揮者ではどうか。
昭和56年10月、第2次臨時行政調査会の土光敏夫会長(中央)の訪問を受ける鈴木善幸首相(右)。左は中曽根康弘行政管理庁長官
昭和56年10月、第2次臨時行政調査会の土光敏夫会長(中央)の訪問を受ける鈴木善幸首相(右)。左は中曽根康弘行政管理庁長官
 というのも、安倍政権はひたすらアベノミクス、経済優先をかざすが、47都道府県体制を含め日本の統治機構改革はこの40年間、ほとんどメスが入っていない。365万公務員体制、国地方160兆円予算を使う話だけで、その内部構造に2重3重の無駄があり、機能不全に陥っている統治の仕組みを与件として増税を掛けても、カネ食い虫の国地方は変わらない。それは国民にとって賢い税金の使い方(ワイズスペンディング)には全くならない。

 土光臨調から40年以上経ついま、国と地方の統治大改革、そのための第3次臨調の設置は不可避ではないか。その引き金を橋下氏は引いたらどうか。大阪維新の改革実績を日本の改革に全面的に役立てるには大きな選択肢ではないか。総選挙を機に、そうした日本大改革に踏み込めるなら、「希望の党」に多くの国民は希望を見出すのではないか。ならば、実践力と行動力をもった、ぶれない改革者、橋下氏あなたの出番といえる。

 もちろんこの先、小池、橋下両氏が性格的に気脈の合う2人かどうかは分からない。ただ小池氏の東京での強みは大きな力となる。大都市圏の「国」でそれなりの評価があろう。もし、この2人が組んで、日本でまだ顔をみない「都市型新党」としての日本に新しい党を育てるなら大いに期待したい。

 東京、大阪、名古屋という日本の3都が政治的に一体化し、農村過剰代表制のなかで巣食ってきた古い自民党に代わって、大都市有権者の不満、不信、不安を吸収し、6割以上を占める都市有権者に密着した都市型新党として方向性を明確にしていくべきだ。そして、それが地方圏というもう1つの「国」まで広がっていくなら、今回の民進党の解党も、自己都合解散と揶揄される安倍首相の衆院解散も、歴史的に意味をもとう。