2017年10月11日 11:39 公開

スペインからの独立を問う住民投票を今月1日に実施した北東部カタルーニャ自治州で10日、カルレス・プッチダモン首相ら州指導者が独立宣言に署名した。しかし、中央政府との対話の可能性を残すため、施行は数週間延期する方針という。

カタルーニャが「独立した主権国家」として認められることを求めた独立宣言の文書を、中央政府は即時否定した。

カタルーニャの州指導者たちは1日の住民投票で独立が支持されたと主張しているが、スペインの憲法裁判所は住民投票は無効との判断を下している。

バルセロナにある州議会で10日演説したプッチダモン首相は、住民投票の結果、カタルーニャは独立する権利を得たと述べた。

同州当局によると、住民投票での独立支持率はほぼ90%に上った。しかし、独立に反対する有権者の大半は投票をボイコットしており、投票率は43%だったもよう。投票に不正があったとの報告もされている。

住民投票阻止の裁判所命令を受けた国家警察は、有権者たちを乱暴に扱うなど暴力行為を行った。

州指導者たちが署名した独立宣言は、「すべての国家と国際機関にカタルーニャ共和国を独立した国家として承認するよう求める」と述べている。

プッチダモン首相は州議会での演説で、中央政府から分離することが「人々の意志」だと語ったが、独立問題をめぐる緊張を「緩和」したいとも述べた。

プッチダモン氏は演説で、「我々は皆、同じ社会に属していて、一緒に前進する必要がある。前進する唯一の道は民主主義と平和だ」と語った。

一方で、カタルーニャの自決権が否定され、中央政府に過剰な税を課されているとも述べた。

10日の一連の動きについて中央政府のソラヤ・サエンス・デ・サンタマリア副首相は、「プッチダモン氏だろうと誰だろうと(中略)仲裁は強要できない。民主主義者の間のいかなる対話も法律の枠内でなくてはならない」と語った。

さらに、「史上最も緊張した状況をカタルーニャにもたらし、ここまで来てしまったプッチダモン首相は今や、自分の自治州をこれまでになく不透明な状況に置いている」と述べた。「きょう行われた(中略)首相の演説は、自分のいる場所や、どこに向かおうとしているのか、あるいは誰とそこに行きたいのかが分かっていない人物によるものだった」。

スペインのマリアノ・ラホイ首相は11日午前に臨時閣議を開き、カタルーニャをめぐる直近の状況について協議する予定。

プッチダモン氏が州議会で独立宣言を議会に求めるだろうと憶測が広がるなか、カタルーニャ独立支持派はツイッター上でハッシュタグ「#10ODeclaració(10月10日宣言)」を使っていた。

しかし、バルセロナのアダ・クラウ市長や欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク大統領など影響力を持つ人々がプッチダモン氏に独立宣言をしないよう促していた。

何百年にもわたってスペインの一部でありながら独自の言語と文化を保ってきたカタルーニャは、スペイン憲法の下で幅広い自治権を得ている。

しかし、カタルーニャを「民族」として再規定し、独自言語の地位を高め税金や司法に関する自治権を強めた2005年の改正は、憲法裁判所によって2010年に無効化された。

さらに、経済危機のなか有権者の不満が強まり、2015年の選挙で独立を支持する政党が州の政権を握った。

スペインの輸出の4分の1を占めるカタルーニャ州は、経済的に最も豊かな地域の一つ。しかし、独立をめぐる危機が深まるなか、同州から拠点を移す意向を表明する企業が相次いでいる。

EUは、カタルーニャがスペインから分離独立した場合にはEU域外になると明確にしている。

(英語記事 Catalonia independence declaration signed and suspended