2017年10月19日 12:56 公開

西アフリカのニジェールで今月死亡した米軍兵士の遺族に哀悼の意を伝える電話でドナルド・トランプ米大統領が無神経な発言をしたと、民主党の下院議員が非難する一方、大統領が発言を否定している問題で、兵士の母親も大統領の発言を確認した。

フレデリカ・ウィルソン議員(フロリダ州選出)によると、トランプ氏はマイーシャ・ジョンソンさんに対し「本人はどういうことになるか分かっていただろうが、それでも心は痛むだろうう」と語ったという。

トランプ氏はウィルソン議員の説明は「全くのねつ造だ」と述べている。

ラ・デヴィッド・ジョンソン軍曹は今月4日、ニジェールでイスラム過激派に殺害された。ジョンソン軍曹のほか、米国特殊部隊兵士3人が過激派の襲撃で死亡した。

襲撃による死者が出た直後には、トランプ氏が戦死した兵士の家族に連絡を取っていないとの批判が出ていた。

ジョンソン軍曹の母親コワンダ・ジョーンズ・ジョンソンさんは米紙ワシントン・ポストに対し、ウィルソン議員が主張する遺族との電話でのトランプ氏の発言内容を確認し、「トランプ大統領は息子と義理の娘に対して敬意を欠いた対応をし、私と夫に対してもそうだった」と語った。

これとは別に、息子が戦死した父親に対してトランプ氏が電話で金銭の支払いを提案したものの、実際には支払わなかったとの指摘がされていた。

父親はワシントン・ポスト紙に対し、「『私的な口座から2万5000ドル(約280万円)の小切手を切る』と言われ私は崩れ落ちた」と語った。

ホワイトハウスはその後、ワシントン・ポスト紙に対して小切手は送付されたとし、「善意と誠意のしるし」だったと説明した。

<ウィルソン議員はツイッターで「ラ・デヴィッド・ジョンソン軍曹は英雄だ。トランプは米国大統領として思いやりや品位を欠いている」とコメントした>

ウィルソン議員はマイアミの放送局WPLGに対して、リムジンに同乗中、大統領が未亡人に対して「とても無神経」に対応するのを、電話のスピーカーフォンで耳にしたと語った。

「個人的には、自分たちの会話ではあり得る話題かもしれないが、悲しんでいる未亡人に対して言うべきことではないと思う」とウィルソン議員は言った。

「戦争に行けば、生きて帰らないかもしれないことは皆知っています。でもそれを悲しむ未亡人に思い出させることはありません」

ウィルソン議員はワシントンポストに対し、夫との間で3人目の子供の出産を予定していた妻のマイーシャさんは、大統領との会話の後、泣き崩れたと語った。

ウィルソン議員は、「大統領のせいで彼女は泣いた」と話した。

ウィルソン議員はさらに、電話をつかんで「罵り」たかったが、別の軍曹が受話器を持っており、ウィルソン氏が大統領とは話せないようにしていたと語った。

母親のジョンソンさんはトランプ氏の否定にツイッターで反論し、「ドナルド・トランプ氏とマイーシャ・ジョンソンさんとの電話の内容をめぐる私の証言は、今でも間違っていない。それが彼女の名前ですよ、トランプ大統領。「その女性」や「妻」ではなく」と述べた。

ジョンソンさんはその後、文書で、「トランプ氏とささいな言い争い」をしたくはなかったものの、自身の証言は全て正しいと重ねて述べた。

トランプ氏の反応

トランプ氏は18日朝、「民主党議員が、私が戦闘で亡くなった兵士の妻に言ったことを完全にでっち上げた。(証拠がある)。残念だ!」とツイートした。

だがトランプ氏はまだ、証拠を示していない。

あるホワイトハウス関係者は、亡くなった兵士たちの家族とのトランプ氏の会話は非公開のものだったと述べた。

トランプ氏はその後、記者団に対し、「私は、彼女(ウィルソン氏)が言ったことは言っていない(中略)とても良い会話だった」と話した。

トランプ氏はどんな「証拠」を提示できるのかと問われ、「彼女にもう一度伝えてもらう。それで分かる」と答えた。

その後、サラ・ハッカビー・サンダース報道官はホワイトハウスの記者会見で、ウィルソン議員が今回の件を「政治利用した」と非難した。

「大統領はこの国を強く愛し、軍に務める男性と女性に最上級の敬意を払っていて、家族に電話し哀悼の意を表したかった」

「それから何かを作り出そうとするのは(中略)率直に言って最低で、うんざりする」

(英語記事 Trump was insensitive in call to widow - soldier's mother