2017年10月19日 14:21 公開

テリーザ・メイ英首相は今週19、20日に開催されるEU首脳会議を前に、英国の欧州連合(EU)離脱後もEU市民が出来るだけ容易に、英国に残ることができるようにすると約束した。

メイ首相はフェイスブックへの投稿で、定住資格申請プロセスを「合理化」し、費用は「最小化」すると強調した。

メイ氏は、EU市民の代表らが「ユーザーグループ」として、制度の問題を解決していくと述べた。

英国を除く27カ国のEU首脳らは、これまでの協議の全体的な進捗を評価する。

首脳たちは20日の会合で、2つ目の貿易協定の協議に移るには、英国内のEU市民やEU内の英国民、またそのほか離脱に伴う問題をめぐる「進捗が不十分」だと正式に結論付けるとみられる。

ドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、2日間のEU首脳会議で「大きな進展」はないものの、12月に予定される次回のEU首脳会議までには進捗があるかもしれないと話した。

メイ氏はブリュッセルへの出発前に自身のフェイスブックに投稿し、英国に住み、ブレグジット後の将来に不安を感じている300万人以上のEU市民に、さらに安心感を与えようとした。

メイ氏は、すでに永住権を持っている人はできるだけ手間のかからない方法で、定住資格と「それを交換」できると述べた。

元財務相のローソン卿や保守党の元閣僚オーウェン・パターソン氏、労働党のケイト・ホウイー 議員などブレグジットを支持する保守党や労働党議員らが、EUが英国の望みを受け入れなければ、今週交渉の席を立つようメイ氏に訴えている。

「離脱は離脱だ」運動の参加者らは、産業界のブレグジット支持者らも署名した首相への書簡で、政府は「十分過ぎるほど我慢しており」、企業が直面する「非常に悪影響のある」不確実さを終わらせるため、「決定的な行動」が今必要だと述べている。

書簡ではさらに、メイ氏は19日の協議で進捗がなければ、英国は2019年3月30日に世界貿易機関(WTO)のルールに戻るとの想定を検討する旨を正式に宣言すべきだと述べている。


<解説>首脳会談は英国を多少励ます内容に――ケビン・コノリー欧州特派員

10月の首脳会議は、27カ国の首脳が集まり、英国との離脱交渉の結論に納得し、貿易についての交渉開始に合意できる第一日目になるはすだった。

そうはいかないことは数週間前から明らかになっていた。しかし、将来の英国との貿易について内々の議論を開始することで英国に対して多少の励みを与えることにはなるだろう。12月の次期首脳会議で飛躍的進展ができる準備が整う。

テリーザ・メイ氏は会食後の会見で、新たに大きな提案はせず、同氏がイタリア・フィレンツェでの演説で述べた200億ポンド(約3兆円)相当の財政的拠出の提案の価値を強調する見通しだ。

だがEU側はさらに多くを求めている。さらに多額の拠出と、EU市民の権利とアイルランド国境についての議論の進展だ。

ブリュッセルにいる外交官と同じ数だけ、次の動きがどうなるかという予測が飛び交う。12月に飛躍的に進展する可能性は五分五分より低いとする向きもあるが、会談に関わる職員は今回の首脳会議でのブレグジットの議論は根本的には前向きだと語る。


(英語記事 Brexit: May offers more assurances to EU nationals