2017年10月20日 12:03 公開

日本では22日、安倍晋三首相による衆議院解散を受けた総選挙の投票日を迎える。

安倍首相は9月に総選挙の実施を表明した。北朝鮮からの脅威が強まるなか「国難」を突破するため、あらためて国民の信任を得たいというのが理由だ。

安倍氏への支持率が今年夏の記録的な低水準から回復し、野党が混乱状態にあるタイミングで、解散・総選挙は決定された。

与党の勝利が広く予想されており、政権が維持されれば、安倍氏は在任期間が戦後最長の首相になる可能性が高い。

有権者の選択肢

安倍氏が所属する自由民主党は選挙戦で、安全保障および北朝鮮問題での強硬姿勢を主張しており、国内の社会政策も強調している。

2006年に首相に初就任した安倍氏は、わずかな期間で退陣したが、2012年に地滑り的勝利を収めて首相に復帰した。しかし、長年のデフレからの脱却という広範囲な公約は、なかなか実現できていない。

安倍首相はまた、原子力発電所の全面的な再稼働を推進している。ただし2011年の福島原発の事故を受け、賛同者が少ない政策でもある。

従来なら自民党に対抗する主要政党は民進党だったが、同党は7月、 蓮舫代表(当時)の去就をめぐる騒動で混乱に陥り、9月末に完全に崩壊した。

かつての党員らは無所属、または他の小規模政党から出馬して今回の選挙を戦っている。中でも、10月上旬に結党したばかりの立憲民主党が注目されている。

それでも安倍氏は、かつて自民党で閣僚を経験し現在は東京都知事を務める小池百合子氏からの新たな挑戦に直面している。小池氏は国政政党「希望の党」を先月新たに立ち上げた。

しかし立ち上げ当初にあった有権者の強い支持はその後、勢いを失っている。その原因には、小池氏自身が出馬していないことや、選挙戦の準備に時間がなかったことなどがある。

希望の党の政策は、保守派の安倍氏率いる与党とあまり変わりはない。しかし2019年秋に予定される消費税率引き上げの凍結、2030年までの原発ゼロの公約は、与党と異なっている。

首相のかつての同盟者小池氏は、将来的に自民党に戦いを挑む存在になると今でもみられており、次回以降の国政選挙で出馬する可能性もあるだろう。

なぜ解散・総選挙なのか

アナリストらは、今回の解散・総選挙は安倍首相が自身への支持率回復を受け、野党の混乱に乗じようともくろんだものとみている。

今年に入り、安倍氏の高い支持率は相次ぐスキャンダルと不人気の政策で数カ月間にわたり落ち込んでいた。

  • 友人が理事長を務める私立大学による学部新設の認可で便宜を図ったとの疑惑。安倍氏は否定している。
  • 独特の愛国教育を行う学校に対し、国有地が破格値で払い下げられた問題に関係しているとの疑惑。安倍氏はこれも否定している。
  • 日本国憲法で自国軍隊を正式に認めることを求め、日本が第2次世界大戦後に掲げてきた平和主義の下での防衛政策の変更を目指している。
  • 反対の声が多い対テロ法案を可決させた。

安倍首相の支持率は今年7月に30%を切ったが、9月には50%以上に回復した。

支持率の低迷で安倍氏は自民党内からのプレッシャーにもさらされているが、22日に議席数を伸ばせれば、党内の対抗勢力を黙らせることができるだろう。

選挙予測はどうなっているか

先週までの世論調査では、一貫して安倍氏の自民党がリードしていた。最新の調査では、衆議院465議席のうち自民が約300議席を獲得する勢いだとされる。

連立相手である公明党は30議席以上を獲得するとみられており、次期安倍政権は憲法改正に必要な3分の2議席を確保できることになる。

第2次世界大戦の敗戦を受け、国際紛争の解決手段として日本の軍隊が軍事力を使うことは、自衛を除き、憲法で禁じられている。

安倍首相はこの憲法を変え、日本の軍隊が同盟国と共に世界中の国際軍事作戦に参加しやすくなるようにしたいと考えている。

小池氏が立ち上げた希望の党は、約50議席を獲得し、大差を付けられての2位になるとみられている。

しかし世論調査は必ずしも信頼できるというわけではなく、また急な解散による総選挙にはかなりのリスクが伴う。

英国では、保守党のテリーザ・メイ首相が似たような方策に打って出たが、かなり裏目に出てしまい、予期せず過半数議席を失う結果となった。保守党は政権を維持するため、閣外協力を求めることを余儀なくされた。

(英語記事 Japan's snap election explained