安倍宏行(Japan In-depth編集長)

 「テレポリティクス」という言葉が、かつてあった。テレビを意識した政治、という定義だが、最近とんと聞かなくなった。が、政治家がテレビを意識していることに変わりはない。

 地上波では日曜日の朝の政治討論番組、すなわちフジテレビ系列の「新報道2001」やNHKの「日曜討論」、月1のテレビ朝日系列「朝まで生テレビ!」などが政治家にとって定番となっている。またここ数年はBS各局の報道番組に政治家が出演することも当たり前になった。筆者が立ち上げにかかわったBSフジの「プライムニュース」はその代表格だ。

 また政治情報バラエティーの存在もある。テレビ朝日系列の「ビートたけしのTVタックル」などはその代表格で、いまや長寿番組となっている。さらに朝や昼過ぎのワイドショーも積極的に政治ネタを扱うようになって久しい。その傾向は2005年の「小泉劇場」から顕著になってきた。美人刺客が特集され、大いに大衆の耳目を集めたことから、前述のテレポリティクスや「ワンフレーズポリティクス」などへの警戒感が台頭したのだった。
2016年3月、「ビートたけしのTVタックル」のレギュラー陣、ビートたけし(中央)、俳優の大竹まこと、エッセイストの阿川佐和子
2016年3月、「ビートたけしのTVタックル」のレギュラー陣、ビートたけし(中央)、俳優の大竹まこと、エッセイストの阿川佐和子
 そしてインターネット選挙が13年に解禁となってから既に4年がたった。何が変わって何が変わっていないのか。まず、変わった点は政党、政治家のメディア戦略が進化した。国会における討論はテレビ中継を意識したものとなり、国民からしてみればわかりやすいものとなった。大きなフリップを使い、テレビの視聴者が一目でわかるように各議員も工夫するようになった。

 政党がインターネットを使いこなすようになってきたのも顕著だ。自民党の動画チャンネル「Cafe Sta」はその典型だ。生放送もあれば録画で見逃し視聴もできる。FacebookやTwitter、YouTube、ニコ生、FreshなどSNSや動画配信プラットホームがフルに活用されている。それ自体は悪いことではない。有権者は、より多くのメディアで政治関連情報に触れることができるようになったのだから。