そしてついに今年4月、私は脅迫事件に巻き込まれることになるのです。兵庫県尼崎市に住む男がツイッターで「大島てるを殺したい。ここの運営の代表って誰ですか?殺してもいいんですか?もし、イイよって言ってくれる人がいたならば今からその人を殺しに行きます。武器はそこら辺のスーパーに売ってる安もんの包丁を買います。」「あと、大島さんを殺した後僕も死にます」「今思うのは、大島てるの創業者の首を生きたままゆっくりと切り落としたい気分です。断末魔を聞きながら日本酒が飲みたいです。嗚呼、その人を殺したい。殺したい。。。」などと書き込んでいたのです。

 10月23日、男は警視庁に逮捕されました。しかし、脅迫事件の影響でいくつもの事故物件イベントが中止に追い込まれ、警察による厳重警戒の中で強行開催された数少ない公演でも、ファンの皆さんとの接触はかなり制約されました。

 男が大島てるの狂信的ファンで、一方的な好意をこじらせてしまった挙げ句の犯行なのか、それともインターネット上で事故物件情報を公示している大島てるに対しての叛意(はんい)が犯行の動機なのか、あるいはそのどちらでもないのかは現時点ではまだ判明していません。ただ、今後、男の職業等が明らかになれば、犯行の動機を知る手がかりになるはずです。もし、犯人が「アパートの大家」であるといったことが分かれば、大島てるへの叛意が犯行動機だという可能性が高いと言えるでしょう。

複数の遺体が見つかった白石隆浩容疑者が住んでいた アパート=2017年11月1日、神奈川県座間市
複数の遺体が見つかった白石隆浩容疑者が住んでいたアパート=2017年11月1日、神奈川県座間市
 あらゆる不動産取引は「ギャンブル」です。勝つこともあれば負けることもあるのです。大損してしまった大家さんには「ご愁傷様です」としか言いようがありませんが、殺人犯や連帯保証人(多くの場合は親)に対して損害賠償を請求することはできます。自殺の場合も、故意ですから、当然、連帯保証人や相続人に請求できるのです。

 事故物件となってしまったアパートを解体し、コインパーキングにするなどといった対処も考えられます。数時間自動車を駐車するだけなら、たとえ、そこで凄惨(せいさん)な事件が過去に起きていたことを知ったとしても、気にせず利用する人も少なくないからです。

 にもかかわらず、アパートを事故物件化させた張本人の殺人犯ではなく、殺人事件が発生したという事実をただ単に世間に向けて大声で叫んでいるだけの事故物件公示サイト「大島てる」に責任を転嫁するのは、はっきり言ってゆがんだ心理と言わざるを得ません。

 よしんば、保有する物件が事故物件となってしまった大家や地主は、ある意味で「被害者」だとしても、その物件を今後貸したり売ったりする相手をだましてもかまわない理由には全くならないのです。だからこそ、私は今後も「借りる人・買う人・住む人」のために、粛々と事故物件公示活動を続けていきたいと思います。