2016年7月26日の事件の後、津久井やまゆり園をどうするのかという問題が起こりました。ダメになってしまった部屋が幾つかあって、被害がなかった部屋に入所者がギュウギュウ詰めで入り、それでも入れない人たちは9月1日まで2カ月ほど体育館で暮らしました。

 その後、三浦しらとり園、県の建物で厚木の七沢の老人介護だかの建物、かながわ共同会が運営している秦野精華園と愛名やまゆり園、厚木精華園に何人かずつお願いをして、入所者が移りました。9月21日にうちの息子も七沢に行ったのです。それで事件当時津久井やまゆり園にいた135人が全員、居場所を確保したわけですね。

 そして9月に神奈川県の黒岩祐治知事が、私たちの要望に対して150名収容の昔の状態のままで建て替えますとおっしゃったんです。10月か11月に青写真が出来まして費用が60~80億円かかるとされました。

 そしたらその頃、全国の障害者団体だとかグループホームやってる人たちとか、いろいろな人たちから「歴史に逆行してるんじゃないか」「地域で暮らすことが幸せなんだから、大きな建物を建てずグループホームなどにすべきだ」と反対の声があがったんです。

 そこで、県としては「ではもう一度改めて検討しましょう」ということで、検討委員会の部会が出来たのです。部会は全部で12~13回やるのでしょうか。8月2日に最終結論を出して知事に報告する。あとは知事と県議会とかそういう人たちで精査して、最終的な県の方向性を発表するようです。
「津久井やまゆり園」の殺傷事件で、県が設置した第三者検証委員会の初会合であいさつする黒岩祐治知事=2016年9月21日、横浜市
「津久井やまゆり園」の殺傷事件で、県が設置した第三者検証委員会の初会合であいさつする黒岩祐治知事=2016年9月21日、横浜市
 昨年秋に知事が発表して青写真まで作ったのにひっくり返ってしまったわけです。全国の障害者関連団体の方が反対をしています。ただ反対する人たちは津久井やまゆり園のことを知らない人たちで、家族とも会っていません。

 もちろん反対の意味がわからないわけじゃないんです。2003年に支援費制度が出来、国が改革した支援制度の一つとして、コロニー的な大規模施設は縮小しなさい、あとはグループホームなどにして、地域で共生社会の流れを作りなさいということになった。そこで宮城県、群馬県、兵庫県とか、長野県もそうですけど、全部ある程度小さくしたんです。