昨年、神奈川県が建て替えか改修かで打診して来た時に、僕ら家族会はもう改修は不可能ですと申し上げたんです。家族はほとんどの方が建て替えをお願いしたいということで、知事や県議会議長のところにお願いに行きました。その結果、知事が建て替えをしますと言ったのに今ひっくり返ってしまったので、家族会としてはすごく憤慨しているんです。家族の気持ちが全然汲まれていないことに、すごい憤りを感じています。
事件発生から1年となった知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、献花を終えた車いすの男性=2017年7月26日、相模原市
事件発生から1年となった知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、献花を終えた車いすの男性=2017年7月26日、相模原市
 津久井やまゆり園の建て替え問題では、県障害者施策審議会の専門部会がやっている結果はまだ出ていないんですが、8月2日に報告書を県にあげるということなので、大月家族会会長が「8月5日の夕涼み会の日に堀江部会長に芹が谷に来て頂き、説明を聞きたいと思っている」と発言しました。8月5日夜は津久井やまゆり園の納涼祭なんです。

 結局、専門部会は僕ら家族会の要望と違う方向に向かっているんです。分散化とか二極化とか色々言われてますが、施設を小さくしてグループホームとかにしようという方向にいってるので、それは僕ら家族会が県にお願いしたのとは、話が違うのです。

 僕があちこちで話させていただいているのは、要するに順序が違うということです。グループホームに行きなさいというのであれば、先に津久井の周辺とか座間とか相模原とかに作って下さい。そうして僕らに選択肢を下さいよと。体験入所して、良ければ入所していけばいいんです。それが支援制度なんですから。

 先にそういう受け皿を作ってもらって、それから話してくれれば、僕ら家族もちゃんと協力もします。津久井やまゆり園じゃなくたって、利用者がいつでも穏やかに暮らせるところがいいわけですから。

 この建て替え問題にしても、匿名の問題にしても、知的障害者を含めた障害者と言われる方々が差別されているという現実が、まず問題だと思っています。

 そうした差別は日本の文化や風土と結びついていて、根本的に変えるには100年かかるかもしれません。でも、僕はこの事件の背後にある差別や偏見をなくしていくことが一番大事なことだと思っているんです。 (談/2017年7月収録)