2017年11月13日 13:09 公開

今月4日に辞任を表明したレバノンのサード・ハリリ首相は12日、滞在先のサウジアラビアから「数日中」に帰国し正式に辞任手続きを行うと述べた。

サウジアラビアの首都リアドのテレビ局「フューチャーTV」とのインタビューでハリリ首相は、イランの後押しを受けたレバノンの武装勢力ヒズボラを批判し、自身や家族の安全を心配していると語った。インタビューは辞任表明後初の公の場での発言。

ハリリ首相に近いレバノン政府の閣僚らは、同首相がサウジアラビアで人質にされていると主張したが、ハリリ氏は否定している。

米国と英国は代理闘争の道具にレバノンを使うべきではないと警告した。

実業家出身でイスラム教スンニ派指導者のハリリ氏は2016年11月に内閣の首班指名を受けた。

ハリリ氏はテレビのインタビューで、「私は辞任した。かなり早期にレバノンに行き、憲法にのっとった形で辞任する」と述べた。

厳粛な面持ちのハリリ首相は、今回の辞任が「通常のやり方」ではなかったと認めたが、国に「前向きな衝撃」を与えたかったと語った。「私の辞任表明はレバノンに対する警鐘になった」。

1週間前にテレビ放送された演説でハリリ氏は、イランとイスラム教シーア派のヒズボラがレバノンを乗っ取ろうとしており、近隣国も含めたより幅広い地域を不安定化しようとしていると非難した。ハリリ氏は、「党としてのヒズボラに反対しているのではない。ヒズボラが国を破滅させようとしているのが問題なのだ」と述べた。

ハリリ氏はさらに、辞任撤回の条件として、地域の紛争から距離を置くというレバノンの政策をヒズボラ運動が尊重することを上げた。

イランとヒズボラは、サウジアラビアがハリリ氏を人質にしていると非難した。しかし、ハリリ氏はサウジ国内を自由に移動できると強調し、「私はここで自由だ。もしあした旅行をすると決めたとしても、そうすることができる」と語った。

ハリリ氏の父親で同じくレバノンの首相を務めたラフィク・ハリリ氏は2005年に自動車に仕掛けられた爆弾による攻撃で死亡している。

ハリリ氏は、地域の最大の問題は「イランがアラブ諸国に介入していること」だと指摘し、今月初めにイエメンからリヤドの向けてミサイルが発射されたことについて触れ、「レバノンをアラブ諸国と対立させる責任を私に押し付けさせはしない」と述べた。

サウジアラビアが主導する有志連合は、イランとレバノンで活動するヒズボラ工作員がイエメンのシーア派の武装組織で反政府勢力のフーシ派と協力してミサイルを発射させたと非難している。

ボリス・ジョンソン英外相は声明を発表し、ハリリ首相のレバノン帰国を「これ以上、引き延ばさない」よう呼びかけた。

ジョンソン外相はレバノンを「代理闘争」の道具にすべきではないとし、同国の独立が尊重されるべきだと述べた。

(英語記事 Saad Hariri: Lebanon return from Saudi Arabia 'within days'