多くの女性は時給780円のパートで、旦那は年収350万円の非正規。東京にすら出る機会もなく、高卒や専門卒で、月1回の回転ずしが贅沢。しまむらの服でイオンに行く日常。車は軽ワゴン。

 特に地方都市はそんな感じですよね。

 そんな人たちには、才色兼備で負け知らず、しかも年下の男と不倫してる(かもしれない)、夫も捨てかねない山尾氏は「本当なら私だってそういう生活ができたのに」というあこがれの対象なんですよ。

 不倫だってしたいんです。

 だって自分の旦那は高校の同級生で、イケメンでも東京の弁護士でもなくて、パートで疲れて帰ってきてるのに「飯を作れ」と命令するクソメンだから。

 夫が稼ぎも地位もないから自分はパートに出なくちゃならないのに「えばってるんじゃねえよ!」と日々不満を溜めている。

 でも、山尾氏のような学歴も資格も稼ぎもないから、離婚はできないんです。本当はお金があったら別れたい。不倫もしたい。きれいな服だって着たい。嫌味な義母からも逃げたい。

 貧乏で、低学歴で、特技もなくて、ブサイクな自分は、生まれ変わったら山尾氏になりたいんです。

 そんな憧れが集会場やら回って「待機児童をどうにかします!」と声をかけてくれる。

 テレビのあの人が、憧れの人が、しまむらの服の自分の生活を考えてくれるんだ、あんなすごい人だって同じ母親なんだよね、と。

 問題は不倫だけであって、民進党のホンネは「残ってほしい」という感じでしたし、山尾氏はなんだかんだいってキレイですよね。見た目が。元芸能人ですから。豊田真由子女史は落選しましたが、もしマユタンが「絶世の美女」だったら多分暴言も許されてたんですよ。でも、赤塚不二夫先生のキャラみたいな顔だから同情は得られなかった。

 結局、女も男も見た目がキレイな人には甘いんです。

 しかし私が疑問なのは、山尾氏はなぜ幹事長就任のタイミングで疑惑を呼ぶような密会をし、夫とは関係が破綻しているのにマスコミには完璧な家族を擬態し、さらにこれだけ叩かれているのに倉持氏を「政策アドバイザー」に指名してしまうのか、という彼女の面の厚さと空気の読めなさです。

 そして、マスコミに対しても相当強気です。不倫疑惑の件は横に置いといて、私の政策を見ろとしつこく言っている。

 なんでこんなに上から目線なのか。

 それは山尾氏が負け知らずのエリートだからです。

街頭演説で女性と握手する山尾志桜里氏
=2017年10月1日、愛知県豊明市
街頭演説で女性と握手する山尾志桜里氏 =2017年10月1日、愛知県豊明市
 山尾氏は子どものころに「アニー」というミュージカルの主役になっています。あの多数の応募者の中から子役として選抜されるというのはすごいことで、そのまま芸能界に残ってもおかしくない実績です。

 さらに、東大に進学し、司法試験に合格して、検察官。そして衆議院議員になって、野党第一党の幹事長にまで内定したのです。

 容姿端麗で子供にも恵まれ、夫は東大を出ていて、会社はライブドアに買収された実績がある。

 すべてを手にした山尾氏には、何かを失う恐怖はありません。

 子供を置き去りにしようが、夫を捨てようが、若いツバメと何をしようが、子供のころから完璧な「勝ち組」だった自分を引きずり下ろすことなど不可能だと思い込んでいるからこそ、マスコミにも強気なのです。

 しかし、こんなタイミングで不倫疑惑の相手を政策アドバイザーにするような山尾氏は決して「自由の象徴」ではなく、「虚栄心と傲慢(ごうまん)の塊」に過ぎない、ということに、時給780円のパートだって徐々に気がつきはじめていますよ。