2017年11月20日 11:26 公開

米軍の核戦略トップのジョン・ハイテン米戦略軍司令官(空軍大将)は18日、大統領が核攻撃を命令しても、「違法」な命令ならば拒否すると発言した。カナダ・ハリファックスの国際安全保障会議で発言した。

ハイテン大将は自分は戦略軍司令官として大統領に助言する立場にあり、大統領が違法な核兵器使用を命令した場合は、合法な代替案を提言する、その内容は大統領に納得してもらえるはずだと述べた。

ハイテン司令官は、「我々はこうしたことについて、よく考えている。この責任を抱えている以上、どうしたら考えずにいられるのか」と発言した。

「私は大統領に助言する。大統領は私に、どうしろと指示するだろう。その内容がもし違法なら、どうなると思いますか。私は『大統領、それは違法です』と言うはずだ。そうしたら大統領はなんと言うと思いますか。大統領は『何が合法なのか』と聞いてくる。そうすれば我々は複数の選択肢を提示する。どういう状況にせよ、対応するため、複数の能力を組み合わせて。そういう仕組みになっている」

「それほど複雑なことではない」と司令官は述べた。

核攻撃の合法性について問われると、司令官は米軍の武力紛争法規を長年研究してきたと説明。核攻撃を実施する前に大統領が検討しなくてはならない必須要件が、法的に明示されていると強調した。

米軍の武力紛争法規は、核兵器による威圧もしくは使用は国際法で禁止されていないが、核兵器の使用は「武力紛争に適用される関連法の要件にかなうものとはとても思えない」という国際司法裁判所の判例を引用している。

司令官はさらに、「違法な命令を実行すれば、刑務所に行くかもしれない。一生、刑務所に行く可能性もある」と指摘した。

ハイテン司令官の発言に先立ち、米上院外交委員会では14日、大統領の核攻撃命令権限について専門家を招いて議論した。複数の議員が、ドナルド・トランプ大統領が野放図に核攻撃を命令する危険性を憂慮した。一方で、法律家に邪魔されることなく攻撃命令を下す大統領権限が確保されなくてはならないと主張する議員もいた。大統領の核兵器使用命令権限について、議会が議論するのは41年ぶり。

上院議員も専門家も、国の防衛について大統領が全権限を持つという点では一致している。しかし「差し迫った攻撃」の決定的な定義がないため、大統領は完全に自分の好きなようにできるわけでもないという指摘もある。

トランプ氏は8月、「北朝鮮はこれ以上、米国を脅さない方がいい。世界が見たこともない炎と激怒で対抗する」と繰り返した。

またトランプ氏は9月にはツイッターで、北朝鮮が現在のような主張を続けるならば、体制は「長く続かない」とツイート。北朝鮮は「宣戦布告」だと反発していた。

10月には政界引退を表明している共和党重鎮で、上院外交委員会委員長のボブ・コーカー議員が、トランプ大統領が米国を「第3次世界大戦への道」に巻き込みかねないと警告している。

トランプ氏はハイテン司令官の発言に、表立って言及していない。

(英語記事 US nuclear chief would resist 'illegal' presidential strike order