朝日新聞が、森友・加計問題に執心していたことは、10月26日付の産経新聞「森友・加計問題 朝日は執念の断トツ1172行も…投票で重視は有権者8%」で明らかにされている。産経新聞による「ファクトチェック」だ。

 産経新聞によれば、10月11日付~22日付の朝刊で、森友・加計問題に関する衆院選の記事は、毎日新聞が483行(1・2ページ分)、日本経済新聞が378行(0・6ページ分)、読売新聞が48行(0・1ページ分)だったのに対し、朝日新聞は1172行(2・2ページ分)と突出していた。

 一方で、産経新聞はNHKが投開票日の22日に実施し、27万3千人以上が回答した出口調査で、森友・加計問題を投票で重視したとの回答は8%で、最も高かった「消費税率の引き上げへの対応」(29%)の約4分の1にとどまっていたことも指摘している。

 読者が「これは反安倍のエンドースメントなんだ」と納得して朝日新聞の記事を読んでいれば、それはそれでいいだろう。記事に一定の方向性を盛り込むことを「角度をつける」というが、「角度をつけています」と言わずに、「公正中立」「不偏不党」を標榜しながら角度がついているというのは、メディアの矩(のり)を超えた情報操作のそしりをまぬかれまい。

 もっとも、朝日新聞は角度をつけた世紀のフェイクニュース、いわゆる従軍慰安婦問題の「前科」があり、今日に至るまで国益を損なうような大誤報で「誤報ではないか」とずっと指摘され続けながら、そのファクトチェックを怠り、慰安婦問題は日韓関係の「トゲ」となって、歴代政権のくびきとなっている。それが狙いだったとしたならば、狙い通りなのかもしれないが、世界に対して「慰安婦の自社の報道をファクトチェックしたところ、虚偽でした」と、韓国のプロパガンダ攻勢で半ば歴史的事実にされようとしている慰安婦問題を、当事者として火消しに回るのが筋だろう。
特集「慰安婦問題を考える」を2014年8月5、6両日付の朝刊に掲載した朝日新聞
特集「慰安婦問題を考える」を2014年8月5、6両日付の朝刊に掲載した朝日新聞
 メディアには権力を監視する機能も期待されているが、「エンドースメント」と「ストレートニュース」を分離しない、ということであれば、メディア同士で「角度がついた報道」をクロスチェックするしかないだろう。

 「フェイクニュース」も「ファクトチェック」も、「権威を装ったニセモノ」と見透かされて、政治のはやり物として消え去っていくかもしれないが、政治家もメディアも「信頼」というもっとも大事な財産を失わないように、有権者は自戒を求め続けるしかあるまい。