門田隆将(ノンフィクション作家)

 なぜ自民党は勝利したのか。あれほどマスコミが「安倍糾弾キャンペーン」をくり広げながら、結果は自民党が単独で絶対安定多数の議席を獲得し、公明党を加えた与党が全議席の「3分の2」を超えるという圧勝で終わった。

 安倍政権はこれで、2012年12月に民主党から政権を奪取して以来、国政選挙で実に「5連勝」を記録した。テレビの開票速報を見ているとTBSやテレビ朝日を筆頭に、自民圧勝という事実を前に、悔しくてたまらないキャスターたちの顔が並んだ。それを見ながら、「ああ、相変わらずこのヒトたちは、なんにもわかっちゃいない」と、あらためて思った向きは少なくないだろう。

 テレビや新聞だけに情報を頼る、いわゆる“情報弱者”たちを彼らは相手にしている。だが、情報弱者たちの数は、時を経るごとに減っている。つまり、テレビと新聞の影響力は、インターネットの登場以来、「急落」しているのである。そのことを認めたくない既存メディアは、自分たちが「世論を左右している」と未だに思い込んでいるのだ。
(iStock)
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 テレビや新聞が、確かな情報を真摯(しんし)に国民に伝えつづけていたら、これほどの「影響力の低下」はなかっただろう。しかし、多くの国民がネットで幅広く情報を得ることができるこの時代に、ファクト(事実)に基づかない偏った報道をつづける既存メディアは、さすがに国民に「ソッポを向かれてしまった」のだと思う。

 今年、気の遠くなるような時間を費やして国会で延々と取り上げられた森友・加計問題は、典型的なフェイク・ニュースに基づくものだった。あの豊中市の当該の土地は、かつて「大阪空港騒音訴訟」のまさに現場であり、そのため、どうしてもここを売却したくて仕方がない国が、周辺の土地を森友以上に値下げして手放していた事実がネット等では詳しく報じられた。

 しかし、安倍政権に有利になるような情報は、テレビや新聞が一切、報じることはなかった。籠池氏と安倍首相が、実は一度も会ったこともなく、あの「お友だちへの国有財産の8億円値下げ」などということが、いかに事実に基づかない“印象操作”によるものだったかは、ネットで繰り返し報じられていた。