2017年11月28日 17:51 公開

ケリー・アレン記者、BBCモニタリング

中国南部の広西チワン族自治区で、8、9歳とみられる2人の少年がバスの車台の下に隠れ80キロを移動したころで発見された。少年たちは隣りの広東省で働く両親に会いたかったと話したという。インターネットでは、出稼ぎ労働者が地元に残している「留守児童」の問題を指摘する声が相次いでいる。

中国国営メディアは2人の少年の名前を報じていないが、先週23日に行方が分からなくなったと教師から通報があり、同じ日にバス停留所でバスの下に隠れている少年たちが発見されたという。

メディア各社が報じた写真や動画からは、泥まみれの少年たちがバスの下に体を押し込んで隠れていた様子が分かる。

「両親を探したかった」

地元メディアの南国早報によると、少年たちは「8、9歳くらい」で、バスが停留所に止まった時に警備員たちに発見された。

少年たちが約5キロにおよぶ「急な坂」にも耐えたもようで、関係者たちは無事だったことに「驚いた」と話した。

関係者の一人は南国早報に、「子供たちはすごく痩せていたので、車台の下は隠れるのに都合が良かった」と語った。

関係者によると、少年たちは警備員たちの質問に言葉少なに応じていたが、「ようやく2人の少年がお母さんとお父さんに会いたかったのだと分かった」という。「車の下に隠れていたのは、あてもなく両親を探し出したかったからだった」

報道によると、連絡を受けた親族が同日夜に少年たちを連れ帰った。

「胸が痛む」

少年たちの話は、中国のネットユーザーの間で大きな反響を呼び、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」でコメントを投稿する人が相次いだ。

少年たちの写真は拡散され、多くの人が「胸が痛む」と述べた。

あるユーザーは、「中国では今、あまりに多くの年端もいかない子供たちが両親と引き離されている。誰が彼らのことを心配し、問題を解決しようとしているのか」とコメントした。

別のユーザーは、「社会の悲劇」だと指摘。また別のユーザーは「留守児童たちに関心」がもっと寄せられるべきだと述べた。

農村部に残された出稼ぎ労働者の子供たちの数は中国全土で何千万人にも上り、その多くが祖父母と暮らしている。ひどい例では、子供たちだけで生活する家庭もある。今回保護された少年2人は寄宿舎に入っていた。

「中国夢は破れた」

今回の報道を受けて、ネットユーザーの間では、習近平国家主席が2013年に打ち出したスローガン「中国夢」(チャイナ・ドリーム)を揶揄(やゆ)するコメントも多数あった。

「中国夢」が掲げる市民生活や国全体に関わる目標の一つに、2020年までの貧困一掃がある。あるユーザーの「中国の復興は、搾取された出稼ぎ労働者に強く依存している」というコメントには200以上の「いいね」が寄せられた。

別のユーザーは2人の少年たちについて、「愚かな子供たち」の「中国夢は破れた」とコメントした。

「このような子供たちのために中国夢はあるんじゃないか」

(英語記事 Two Chinese boys travelled 80km in bus undercarriage