中村直子(ジャパンハラールコープ代表)

 安倍政権が観光立国を目指すと発表してからこの数年、VISAの要件緩和や円安などの要因も功を奏し、訪日客が増加しています。日本政府観光局(JINTO)の発表した数字では、2017年1月~6月期には前年同期比で17・4%増の1375万人が来日しており、6月期のみを比較しても東南アジア、中でもインドネシアからは67・3%増3万8300人、マレーシアからは、43・7%増の3万人をはじめ東南アジアの国々が欧州を抜きました。
(iStock)
(iStock)
 東南アジアでも、先んじて経済発展したマレーシアと、それを猛追しているインドネシアがカギを握っているといえるかもしれません。この二つの国の特徴は、ともにイスラム人口が多いということです。マレーシアにおいては国教がイスラムであり人口の70%近くを占めています。インドネシアは国教としてイスラムを定めてはいませんが、世界で最もイスラム人口が多い国です。

 そしていま注目すべきはイスラムの市場規模です。世界のイスラム人口は2016年の統計で17億人と全人口の約24%を占めており、この40年間の人口増加率は73%、2050年には全人口の3分の1を占めるのではと言われています。

 市場規模としては、食品分野では2013年1兆2920億USDが2019年は2兆5360億USDに拡大が見込まれており、ハラル化粧品ならびにパーソナルケア分野では2013年~2018年にわたり13・4%の平均成長率を予測しています。(以上「ThamasReuters2014-2015」)そしてムスリム(イスラム教徒)のかける旅行費用は年間1510億USD(「2014年Dinar Standard」)と発表されており、いまイスラム市場に進出することは重要な課題となっています。

 イスラムといえば日本でもこの数年ハラル(英字表記HALAL)が各方面で取り上げられています。ハラル認証取得セミナーやイスラム圏からの訪日客のためのインバウンドセミナーも数多く開催されています。私も指導、サポートをしている立場として今まで多くの方々と一緒にハラルについて学んできました。認証セミナーでは「食のハラル」にフォーカスしがちですが、今回はもっと基本的な「ハラルとは何か」を中心にお伝えしたいと思います。