2017年12月06日 12:59 公開

国際オリンピック委員会(IOC)は5日、組織的なドーピングが指摘されるロシアの選手団に来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪への参加を認めないと発表した.。

一方で、潔白を証明できる選手については、ロシアの国歌や旗を使わない個人としての参加を認める。

今回の決定は、2014年のソチ冬季五輪で国家ぐるみのドーピングが行われたとされる問題への調査の結果を踏まえたもの。IOCのトーマス・バッハ会長は、「信用を損なった出来事にけじめをつける」と述べた。

ロシアでは、IOCの決定を激しく非難する声が相次いだ。一部の政治家は五輪ボイコットを主張しているが、「潔白な」選手が参加する道が開かれたのを歓迎する関係者もいる。

スイスのローザンヌで理事会を開いたIOCは、スイスのサミュエル・シュミット元大統領が率いる調査委員会による1年5カ月におよぶ調査の結果と勧告を検討。ロシア・オリンピック委員会(ROC)を資格停止にした一方、一定の条件を満たした選手は「ロシアからのオリンピック選手」(OAR)という資格で平昌での競技参加を許すとした。

ロシアは繰り返し否定しているものの、調査委の報告書は「反ドーピング規則と制度の組織的な操作」の証拠が見つかったと述べた。14年のソチ五輪の大会前や期間中に国家ぐるみのドーピング違反が行われたとの指摘を裏付ける格好となった。

バッハ会長は、「これはオリンピックに対する過去に例を見ない攻撃だった。(IOCの決定は)信用を損なった出来事にけじめをつけ、さらに実効性のある反ドーピング制度への触媒になる」と述べた。

来年2月9日に開会する平昌オリンピックでロシア選手団が排除されたため、多数のメダルを獲得してきた有力国が一つ減ることになる。

このほかのIOCの決定

IOCは、ロシア・オリンピック委員会の資格停止に加えて、ロシアの元スポーツ相で副首相のビタリー・ムトコ氏を五輪から永久追放するとした。ムトコ氏は現在、来年の夏にロシアで開催されるサッカー・ワールドカップ(W杯)の大会組織委員会の会長を務めている。

シュミット氏の報告書は、スポーツ相だったムトコ氏が「当時犯された行為の究極的な管理責任を負う」と指摘した。

IOCの決定を受け、国際サッカー連盟(FIFA)はW杯に向けた準備への影響はないと述べた。FIFAは、「サッカー競技でドーピングが起きないよう、試合ではあらゆる措置が取られている」とし、来夏のW杯に参加するすべての選手がドーピング検査を受け、「全てのドーピング検体の分析はロシア国外にあるWADA(世界反ドーピング機関)の施設で行われる」と述べた。

IOCはさらに以下の事項を決めた。

  • 平昌オリンピックでロシアのスポーツ省関係者全員を排除
  • ロシアの元スポーツ副大臣ユーリ・ナゴルニフ氏を五輪から永久追放
  • ソチ・オリンピック組織委員会会長だったドミトリー・チェルニシェンコ氏は、2022年北京冬季五輪調整委員会から退任
  • ROCの資格停止にともない、アレクサンドル・ジューコフ会長のIOC委員資格も停止
  • ROCに対し、ドーピング問題の調査や独立ドーピング検査機関(ITA)の設立にかかった費用1500万ドル(約17億円)を請求
  • ロシアがIOCの求めを「尊重し実行に移した」場合には、平昌オリンピック閉会式までに制裁を解除

(英語記事 Russian doping: IOC bans Russia from 2018 Winter Olympics