2017年12月14日 12:09 公開

英下院は13日、欧州連合(EU)離脱法案について、EUとの最終合意を議会の採決に付すとした修正案を賛成309、反対305で可決した。与党・保守党からも11人の造反者が出ており、メイ首相にとって打撃となった。

政府は、離脱を滞りなく進めるのを妨げる可能性があるとして修正案に反対しており、賛成する議員らへの譲歩も提示しようとしたものの、可決に至った。

政府高官らは修正案可決は「大きな後退ではない」とし、2019年の離脱を押しとどめるものでないと語った。

保守党の造反議員には8人の元閣僚が含まれる。その一人、スティーブン・ハモンド元運輸政務次官は造反後に保守党の副幹事長を罷免された。

ハモンド氏はツイッターで、「今晩私は、党よりも国と選挙区の有権者を優先させ、議会で意義のある採決をするため自分の主義に沿って投票した」と述べた。

政府は、議会への「強い保証」にもかかわらず、ブレグジットをめぐる採決で初めて敗北したことに遺憾の意を表明した。

野党・労働党のジェレミー・コービン党首は、ブレグジットについて協議されるEU首脳会議を直前に控えたメイ首相にとって、修正案の可決は「屈辱的な権威失墜」だと語った。

保守党議員同士の対立

修正案をめぐっては、下院で激しい議論が行われるなか政府方針に反旗を翻した与党議員に野党各党が同調した。

修正案に反対する議員たちは、ブレグジットをより困難にし、政府の手を縛るのが修正案の目的だと非難した。修正案はブレグジット反対派のドミニク・グリーブ元法務長官によって作成され、他のブレグジット反対派も熱心に支持している。

採決の結果が発表されると、造反議員のニッキー・モーガン前教育相はツイッターで、「今晩、議会はEU離脱過程への主導権を得た」とコメントした。

しかし、ほかの保守党議員は造反者への憤りを表した。ナディン・ドリーズ議員は、造反議員は除名されるべきだとツイートした。

今回の修正案とは?

英国は2019年3月末にEUから離脱する予定で、将来の相互関係についての交渉が行われている。

EU離脱法案は、離脱に向けた政府の取り組みの主要部分を成す。離脱法案には、EU法の優位性の終了や、現行のEU法令を英国法に組み込みブレグジット当初の継続性を維持することなどが盛り込まれている。

離脱法案の文言を変えようとする試みは何度もあったものの、修正案が可決されるのはこれが初めて。

政府が今後、修正案を変更できなければ、EUとの合意を実施に移すには、議会で新たな法案の可決が条件になる。

政府は、方針に反対する与党議員を抑えるための譲歩を示したほか、EUとの交渉が期限間近まで長引いた場合、修正案が政府に不必要に合意を急がせることになると主張した。

政府はすでに最終合意について議決を得ることや、合意内容の法制化を約束していた。

しかし、政府を批判する議員たちは、正式合意の前に議会で「意味のある議決」ができる保証を要求。離脱法案は、議会を通さずに合意内容を実施できるような文言になっていると指摘した。

修正案をめぐる採決の直前には、離脱法案の今後の審議過程で対応すると政府は提案したが、一部の議員は満足しなかった。

(英語記事 Brexit bill: Government loses key vote after Tory rebellion