和田知士(大川村村長)

 大川村が村議会を廃止して村民議会の設置を検討しているとマスコミが大々的に報道しましたが、その反響にはびっくりしました。5月1日の毎日新聞の記事にはデカデカと「議会廃止」「村民総会設置検討」という見出しがとられてしまいましたが、記事の中身を読んでもらったら見出しと少し違うことがわかってくれると思います。私は議会を残すために村民総会の勉強、研究調査をするということは言いましたが、村民総会設置のための勉強、調査、研究をすると言ったことは一度もありません。そこだけは間違わないようにしてもらいたいのです。

 ただ、国も県もすぐに動いてくれましたね。国は有識者会議を7月から設置すると発表して、県は議会を残すためにどうしたらいいのかということを一緒に勉強しようと言ってくれました。県と国の対応の早さにびっくりしたとともに、本当にありがたいと思っています。

 そもそも議会を残すために、どんなところに問題があるのかといったことを含めて村民総会を勉強しておかなければいけないと思っていましたが、国が有識者会議を開いてくれるので、それについては国にお任せしたい。うちは議会を残すためにどうしたらいいのかという勉強に集中できますから。

 ややもすると村長はトーンダウンしたんじゃないの?とメディアは言ってくるかもしれません。しかし、もともと村民総会の設置とか議会廃止をするということは一度も言っていない。毎日新聞の記者の取材のときに、検討という言葉を最初のうちには使ってしまっていた。ほかの記者から質問を受けて答えたときに、「この業界では検討と言ったら、することなんだよ」というようなことを言われ、「これからは極力使わないことにする」という話をしました。

大川村の和田知士村長
大川村の和田知士村長
 町村総会については、4年前に一般質問の中で村長はどう思うかと聞かれ、私の頭の中にはそういう考えはないという答弁をしていました。しかしそれから4年がたち、2年先の村議選のときに果たして6人の候補者がいるのかなということを考えて、村政に対しても議会に対しても、誰かがしてくれる、何とかなる、ではなくて村民みんなが関心を持ってほしい。そして何とかならなかった時のことも、想定をしていく必要があります。2年後、もし議会が成立しないということがあれば村政が停滞してしまうので、議会の存続についてしっかり考えていく必要があると判断したんです。

 民主主義というもので考えると、総会について良い悪い、という両方の意見があります。まだ十分に勉強しているわけではないので軽々しく言えませんが、制度上、村民総会はとてもできるような制度ではないと私は認識しています。

 地方自治法の94条、95条には確かに町村総会を置くことができるとなっています。八丈小島(旧宇津木村:現八丈町)で前例がありますが、島民が60人、有権者が30人というような状況であれば、できるかもしれないが、うちは人口400人、有権者が350人。規模が全然違うし、実際に行うとなると、さまざまな課題が浮かび上がります。

 例えば、公務員である学校の先生は村民であるにも関わらず、村民総会には参加できない。となると、もはや「総会」ではなくなってしまう。そんなことをひとつとっても、現状では、村民総会ができるような法になっていないと思います。