高知県大川村ではついに議員のなり手もなく、村議会を廃止する検討をしたというが、人口1000人以下の町村が現在28(離島含む)あり、4分の1の町村では大川村と同じ思いのようだ。3年前に元総務相の増田寛也氏らが約1800市区町村のうち「896市町村が消える」という人口減少時代のショッキングな研究成果を発表し話題になったが、この先、この種の問題はより先鋭化してくるのではないか。いったい、この国はどこへ向かっていくのか。
高知県大川村議会
高知県大川村議会
 この二つの国の構造的な問題を解くには、それぞれ過密対策と過疎対策という全く違う政策対応を考えなければならないにもかかわらず、明治維新から150年経っても依然、国民から遠い政府が中央集権体制のもとで箸(はし)の上げ下げまで決めている始末。最近の「地方創生」という名の地域振興策も、全国一律のモノサシで進められ、どうもパッとしない。

 このことが、いかに国民の納めた税金の無駄遣いを生み、いかに地域の元気・やる気を奪い、この国の衰退の引き金を引いているか、早く目が覚めないと滅びてしまうのではないか。

 そもそも細長い日本列島には多様な地域が存在する。それ自体、大きな魅力だが、総じて海に面した地域が多い反面、国土面積の7割が人の住めない山間部だけに、そこに近い中山間地域といわれるところは小さな町村が多い。

 平成の大合併が盛んな頃、人口1万人未満の町村を小規模自治体と呼び「差別だ!」として問題になったことがあるが、いま地方議会を置くべきかどうか。この1万人未満の小さな自治体は現在、485市町村にのぼる(市町村の27・8%)。

 大川村のように1000人未満の町村は、この先、10年もしないうちに100、いや200近くに増えるかもしれない。それだけに今回のケースは「特殊なもの」とはいえない。小さな町村で議会を廃止したらどうか、この話題の発端は大川村で、議会を廃止し、村総会で自治体の基本的な予算、条例などを決めて行こうという話が出たところに始まる。

 同村では、2015年村議選で定数6を超える立候補者はなく、現職6人が無投票で当選している。今後とも「議員のなり手がない(不足)」という。それならば、議会のあり方を考えるより、議会をなくした方がよいのでは、と一足飛びに廃止論へ傾いたようだ。

 議員のなり手がないというのは、もっと広がる話だ。2年前(2015年)の春、4年に一度の統一地方選では投票率の大幅低下と無競争当選率の増大が際立った。議員選に限っても、無投票当選率は町村で21・8%、道府県で21・8%、市で3・6%、指定市で1・7%とこれまでで最も高い。