公選議会は廃止し、公選の首長に予算編成、主要契約、条例作成など全権を委ね、執行活動をチェックする「監視機能」に限定した「評議員会」をおく。問題のある首長は住民総会で解任できるようにする。実費弁償で集落別に出した評議員が四半期ごとに行政を統制したらどうか。議会自体に機能不全が視られる現状からその打開策として有権者が一堂に会する「住民総会」を開く方法も選択肢にあろう。

 とはいっても、大川村の実態をみて、いまの町村でそれを実現する際のハードルは低くない。地域住民の高齢化が進んで住民の一定割合が入院したり、施設に入所していたりするお年寄りは多いところもある。また住民を多く集めるだけの場所や総会の出席者をきちんと確保できるかも課題となる。人口は少ないといっても、面積が広く、集落が点々としていて都市部で考えるような密集地はない。総会当日、総出で役所が搬送に走り回る風景すら想定される。
高知県大川村役場
高知県大川村役場
 総会で議論するテーマの範囲や具体的な運営方法をどうするかも大事な点だ。例えば、戦前の町村のようの首長が町村会(議会)の議長となって全てを仕切ったような形を住民総会に当てはめ、総会の司会を務めるようでは、執行権をもつ首長(執行機関の行政)へのチェックが形骸化してしまう心配もある。

 もちろん、いまの時代だからIT技術(情報技術)を駆使して総会に出られなくても議論に参加できる仕組みをつくったり、公正さを保つために運営ルールなどを定めた住民総会基本条例をつくり決定過程の透明性を高めるやり方もあろう。またこうした小規模町村の地方議員については兼業を前提として、会議は出席しやすい夜間の開催を原則とし、議員報酬は実費弁償に置き変えるという改革も一つの方法だろう。

 考えようによっては、町村総会は住民が行政に直接関わり、地域の自治に関心を持つ機会ともなる。総務省など国も冷ややかに例外を認めるかどうかの態度ではなく、この先の人口減少社会を先取りした自治制度のひとつの方向として、大川村の動きを後押しする方向で検討すべき段階ではないか。

 もちろんそれは、地方議会のあり方を全般的に見直す機会ともなろう。大川村の動きを、議論を深めていくきっかけとすべきだ。過疎が進む各地の市町村で地方議員のなり手が不足する中、直接民主制的な手法で議会の機能を代替させようという、次代の地方自治のあり方の議論が深まる機会となるよう期待したい。