前田豊(ジャーナリスト)

(iStock)
 国土交通省の外局の一つである観光庁が音頭を取り、東京オリンピックが開催される3年後である2020年の数値目標に、訪日外国人旅行者数として4千万人、訪日外国人旅行消費額として8兆円を掲げ、わが国は国策の一つとして「観光立国」を目指しています。

 そのせいか、首都圏から地方の隅々にまでハングル、簡体字、繁体字の併記された案内表示板や看板が溢(あふ)れることで私たち日本国民の生活が不便になったと感じたり、訪日外国人観光客にとっても「日本」を感じにくくなったりしているのではないかと考えるのは、私だけでしょうか。

 2008年10月の観光庁発足以降、充実度に差があるものの、全国の自治体も観光情報の発信に力を入れています。

 しかし、それら観光情報の中に、わが国の国益を損なう「碑」が含まれているのをご存じの方はそう多くはいらっしゃらないでしょう。

 そこで本稿では、それらの中から特に問題となるものを取り上げ、皆さんに警鐘を鳴らしたいと思います。

 今回取り上げる碑は、わが国の領土や、それに基づいて設定される領海、排他的経済水域を失うことに直結しかねないものであり、国として早急に対策を講じなければ手遅れとなると考えられる3つの碑です。

 それらの碑を設置した自治体や外郭団体の公式データや、私からの問い合わせに寄せられた当該自治体からの回答などを根拠に、実態をご紹介します。

 では、本論に入る前に、わが国の領土の東西南北の「端っこ」を確認しておきましょう。外務省のホームページにある通り、また、小中学校の授業でも学習した通り、わが国の領土の東西南北の「端っこ」は…。

最東端:南鳥島    最西端:与那国島
最南端:沖ノ鳥島   最北端:択捉島

 しかし、これら4つのわが領土の「端っこ」のうち、最北端と最南端に関するわが国政府の公式見解を覆す碑が、国や地方自治体によって公金を使って設置されるだけでなく、観光地として情報発信されているのです。