「あいててよかった…」のコマーシャルでおなじみのコンビニにならって、スーパーやファミリーレストランもまた、24時間営業や深夜営業、年中無休を行うようになった。しかし、今や平日の昼間でさえ、パートやアルバイトの人手確保に苦労している。

 元日休業が広がった背景の二つ目は、「従業員満足度」すなわち「働き方改革」である。実は、三越伊勢丹HDの大西洋前社長は16年、多くの百貨店が2日に初売りを行う中で、首都圏店舗を中心に初売りを3日とした。そして18年の正月は3が日を休業とし、4日からの営業を検討していた。休日が増加すれば、従業員の意欲向上、引いては顧客へのサービス向上につながると考えたためだ。しかし、実現しなかった。

2017年5月、新製品発表会で船井電機の船越秀明社長(右)と握手する
ヤマダ電機の山田昇会長(左)
 かつて、ヤマダ電機創業者の山田昇会長にインタビューした際、次のように語っていたのが印象的だった。

「元日を休みにできるのは、うちにそれだけの体力があるからです。全店舗が1日休めば、150億円の減収、その利益分は社員2万人分のボーナス分に相当する。それでも休みにしたんです。流通業は、会社への帰属意識が低いといわれます。対策として、従業員満足度を高めることが重要です。『勤めてよかった、自分の子どもにも勤めさせてあげたい』と思われるような会社にするためには、職場環境づくりが大事なんです」

 元日休業は、従業員満足度を高め、帰属意識を強めて離職率を下げるための、一つの旗印にはなる。しかし、実現するためには、機会損失を許容できる体力、もしくは補填(ほてん)するための策が求められるわけだ。

 ただでさえ、日本のサービス産業の生産性は低い。日本生産性本部の調べによると、わが国の労働生産性は製造業で米国の7割であるのに対して、サービス産業では5割に過ぎず、むしろ格差が年々拡大しているのが現状だ。それだけに、サービス産業の従業員のモチベーションの向上は急務である。

 では、どうすればいいのか。人手不足を解消するロボット、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)などの先進技術を活用したサービスが開発され、実証実験が進んでいる。

 例えば、JR東日本は昨年11月、大宮駅で無人店舗の実証実験を行った。客は、入り口に設置されたゲートに「Suica」などICカードをかざして入店する。店内には約130種類の商品が並んでおり、欲しい商品を棚から取るだけでよい。出口に設置されたディスプレーに商品名と合計金額が表示されるので、それを確認し、「Suica」で決済する。AIがカメラを通じて商品を手に取った人を特定し、金額を計算する仕組みだ。