党機関紙、労働新聞は12月18日、故金正日(ジョンイル)総書記の命日(17日)に、金委員長が金総書記と金日成(イルソン)主席の遺体が安置される錦繍山(クムスサン)宮殿を参拝した写真を、一面に大きく掲載した。奇妙なのは、指導者1人の参拝写真だった。例年であれば高官や軍人を後ろに引き連れていたはずだ。

 どうも、多くの高官が交代した事実を見せたくなかったようだ。10月の党中央委総会で多くの高官が姿を消した。新任人事は発表されたが、前任の高官たちがどうなったかは伝えられなかった。しかも、首脳部に登用されたのはまったく無名の人物だったのである。

金正日総書記の逝去6周年に当たる2017年12月17日、
金日成主席と金総書記の遺体が安置されている
平壌の錦繍山太陽宮殿を訪問した金正恩朝鮮労働党委員長
(朝鮮中央通信=朝鮮通信)
 この人事の変動を国民にまだ知らせたくない事情がある、と中国では分析している。この事実から北朝鮮国内の不安定さを感じている。人事の若返りに老幹部は不満だ。軍部でも、軍を抑える力のある老幹部が姿を消している。2018年の北朝鮮内部は石油制裁により一層不安定になるだろう。

 北朝鮮兵士が11月に板門店から韓国に亡命した。彼が「自由にあこがれて」亡命したというのはウソである。命をかけて逃げたのだから、「命の危険」があったと考えるべきだ。逮捕されるか、処刑される危険があったのだ。韓国の音楽をひそかに聴いてビデオを見ていたのか、直属上官がクーデター計画に加わった、などの不祥事があったのだろう。「命の危険」を語らない亡命はウソである。韓国の情報機関はこの危険を隠している。

 金委員長は2018年に「核保有国宣言」を行う。これにトランプ大統領は激しく反発するだろう。なお「核実験」と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を行う意向も示しており、そうなれば石油供給はさらに減少する。

 軍部の核開発継続の意向はなお強く、指導者もそれを抑えられない。ただ、2018年前半の実験はかなり難しい。2月の平昌冬季五輪前のミサイル発射は、いくら「人工衛星の打ち上げ」と強弁しても、世界の非難を集める。北朝鮮は冬季五輪に参加せざるをえない事情もあるからだ。3月から4月に入ると、大規模な米韓合同軍事演習が展開されるが、演習中に実験すれば攻撃されるかもしれないと北朝鮮は恐れる。