国土交通省によると、全国の自治体管理の橋の老朽化が進んだ結果、すでに16年4月時点で2559の橋が通行止めや片側通行などの規制をしているとのことだ。橋の点検強化を進めた結果、規制せざるを得ない橋梁数が8年前の2・6倍に拡大。生活に影響が出ているが、財政上の理由、つまりは「カネ」の問題で改修が進んでいない。

 日本には、河川法で管理される一級河川が約1万4千もある。さらに、二級河川の数が約7千。2万を超す川により、土地や地域が「分断」されているのが日本の国土なのだ。

 日本は、河川に橋を架け、土地と土地を結び付けることで発展してきた。それが今や、橋の架け替えについて「財政」を理由に怠り、土地と土地が分断されていっているのだ。

 我が国は、退化していっている。

 2017年6月2日に閣議決定された「2017年版 科学技術白書」では、研究価値が高いことを意味する「被引用論文件数」の国別順位について、日本が10位にまで後退したことが指摘された。

 12~14年の平均で見ると、日本の被引用論文件数のシェアはわずかに5%にすぎなかったのだ。

 トップはアメリカで、二位が中国、以下イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、オーストラリア、スペインと続き、ようやく日本である。

 02年から04年の日本の被引用論文件数のシェアは7.2%で、アメリカ、イギリス、ドイツに次ぐ四位であった。凋落著しいとしか、表現のしようがない。

 また、安倍政権は確かに防衛費の当初予算を伸ばしてはいる。とはいえ、いまだにピーク(1997年)の水準すら回復していない。

 防衛面の安全保障上の危機は、現代は97年時点と比較し、明らかに深刻化している。それにも関わらず、防衛費は20年前以下。「狂っている」と表現するべきなのだろう。

 日本のデフレを継続させ、国民の貧困化、財政の悪化、インフラ、科学技術、防衛面の衰退、さらには人口の減少をもたらしているのは、財務省の「PB黒字化目標」である。

経済財政諮問会議に出席する安倍晋三首相(右)と茂木敏充経済再生担当相
=2017年12月1日、首相官邸(斎藤良雄撮影)
経済財政諮問会議に出席する安倍晋三首相(右)と茂木敏充経済再生担当相 =2017年12月1日、首相官邸(斎藤良雄撮影)
 PB黒字化目標がある限り、わが国は消費税増税など各種の増税を強いられ、公共投資、科学技術予算、防衛費などを削減せざるを得ない。増税も政府支出削減も、いずれもデフレ化政策だ。PB目標により、大げさでも何でもなく、わが国は小国化、発展途上国化しつつある。

 日本政府が公共投資や科学技術予算、防衛費などを拡大する財政出動に踏み切り、さらに減税といった「総需要不足」を埋める正しいデフレ対策に乗り出せば、わが国は瞬く間にデフレから脱却する。デフレから脱却しさえすれば、国民は豊かさを取り戻し、財政も改善する(税収が増大するため)。

 さらに、若者の所得が安定的に増えていけば、結婚が増え、少子化も解消。やがては、人口も増加に転じることだろう。

 ところが、PB黒字化目標がある限り、政府が正しいデフレ対策に乗り出すことは不可能なのである。

 2018年6月の「骨太の方針2018」に、現状のPB黒字化目標が残った場合、われわれ日本国民は、将来的な「亡国」を覚悟するべきである。