2017年12月31日 13:29 公開

ドナルド・トランプ米大統領の選挙対策幹部とロシア当局との関係について調べている米連邦捜査局(FBI)の捜査の発端は、豪外交官からの情報提供だったと、米紙ニューヨーク・タイムズが30日に伝えた。

報道によると、トランプ陣営の外交顧問だったジョージ・パパドプロス被告(捜査妨害罪で起訴)は2016年5月、ロンドンの高級バーで「痛飲した夜」、オーストラリアのアレクサンダー・ダウナー在英高等弁務官に対して、ロシアがヒラリー・クリントン氏に関する「泥(不利な情報)」を「メール数千通」から入手していると話したという。

パパドプロス被告がなぜダウナー氏にこの情報を明かしたのかは不明だが、ニューヨーク・タイムズは、ダウナー氏がこのやりとりを本国政府に報告したと伝えている。

さらに2カ月後にクリントン氏の漏洩メールがオンラインに浮上し始めると、オーストラリア政府は被告とダウナー氏のやりとりをFBIに伝えたという。

記事によると、FBIはこれを機に捜査に着手。英国やオランダなど他の友好国の情報機関から支援を得て、捜査を進めたという。

記事は、「オーストラリアの役割を直接知る」立場にある匿名の米国とオーストラリアの外交関係者を4人、情報源として挙げている。

トランプ陣営のロシア疑惑は「FBIにとって極秘中の極秘捜査だった」という。

「極秘の捜査内容をふだんは自由に話し合う毎朝の定例会議でも、捜査幹部はロシア疑惑捜査については言及しなかった」と記事は書いている。

トランプ大統領のタイ・コッブ弁護士は、記事についてコメントを拒否している。

BBCは記事内容を独自に確認していない。

FBIの捜査は現在、ロバート・ムラー特別検察官が指揮する捜査チームが継続している。パパドプロス被告は捜査に協力しているとされている。

ジョージ・パパドプロスとは

パパドプロス被告は、トランプ陣営の外交顧問だった2016年3月から同4月にかけて、ロシア政府とつながりのある複数人物とクリントン氏に「泥を塗る」「数千通のメール」について会談していたが、今年1月にFBIの事情聴取に対して、会談時期はトランプ陣営に加わる前だったと嘘をついた。7月末にワシントンのダレス空港で逮捕され、10月5日に捜査妨害の罪状を認め、同月末に起訴された。

ホワイトハウスは被告の訴追後、トランプ陣営の活動にほとんど影響力のない「下級ボランティア」に過ぎなかったと主張している。

しかし、被告はトランプ氏やジェフ・セッションズ現司法長官などと陣営幹部の会議に同席したり、英外交官と接触したりしていたことが分かっている。高官級会談の手配もしていた。

(英語記事 Trump's Russia inquiry 'started by Australian tip-off'