2018年01月03日 14:35 公開

ドナルド・トランプ米大統領は2日、「和平を協議する意志がない」パレスチナへの米国の援助を停止する可能性があると警告した。

米政権が昨年12月にエルサレムをイスラエルの首都と承認すると発表したことを受け、パレスチナは米国が中立的な仲裁者としての立場を失ったと批判している。

トランプ大統領はツイッターで、援助に対する見返りとしての米国への「感謝や尊敬が全くない」と述べた。

さらにトランプ氏は、エルサレムの首都承認によって激しく意見が対立する問題を和平交渉の「議題から外した」と述べた。

トランプ氏が2016年の大統領選で公約にしていたエルサレムの首都承認は、国連加盟国の大多数からも強い批判の声が出ている。

トランプ氏の発言

これに先立ち、トランプ大統領はパキスタンに対する援助について、何十億ドルにものぼる支援の見返りに米国が得たのは「うそと欺瞞(ぎまん)」だけだとコメントしている。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/948322496591384576

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/948322497602220032

トランプ氏は2日夜のツイートで、「何十億ドルものお金の見返りに何も得ていないのはパキスタンだけじゃない」と述べた上で、「例えば、パレスチナに毎年何億ドルも払っているのに、感謝や尊敬が全くない」と述べた。

「協議の一番難しい部分のエルサレムを議題から外した。しかし、イスラエルはこのためにもっとお金を払わなくちゃいけなかっただろう。だが、和平を協議する意志がパレスチナ人にないのに、膨大な今後の支援額を少しでも支払う理由なんてあるのか」

エルサレムは、世界で最も激しく主権が争われている場所の一つ。

エルサレム全体を不可分の首都とみなすイスラエルは、1967年の第3次中東戦争以来、東エルサレムを占領している。パレスチナは東エルサレムを将来の国家の首都にしようとしている。

中東地域を不安定にするとの警告があったものの、トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都として正式に承認すると決定。さらに、米国務省に大使館をテルアビブからエルサレムに移転するよう指令を出した。米国以外のすべての国がテルアビブに大使館などを置いている。

米国の発表を受け、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長はトランプ政権からのいかなる提案も受け入れないと表明し、「合衆国は和平プロセスでの不誠実な仲介者だということが明らかになった」と述べた。アッバス議長はさらに、エルサレムは「パレスチナ国家の永遠の都」だとした。

パレスチナへの米国の援助

トランプ大統領のツイートに先立ち、ニッキー・ヘイリー国連大使は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を停止すると語った。パレスチナ難民の教育や医療、福祉を提供するUNRWAに対する米国の拠出金は2016年に3億7000万ドル(約415億円)近くに上り、各国政府の拠出金の中では最大となっている。

ヘイリー大使は記者会見で、「要するに大統領は、交渉のテーブルに再び着くとパレスチナが同意するまで、追加的な資金援助をしない、あるいは資金援助を停止したいと言っている」と述べた。

ヘイリー大使は、エルサレムをめぐるトランプ大統領の決定を非難する国連決議は「状況の改善に役立たない」と指摘し、「パレスチナは(交渉の)テーブルに着きたいという意志を示さなくてはならない。現時点では、彼らはテーブルに着こうとしていないが、支援は求めている」と語った。

UNRWAに対する援助で米国に次ぐのは欧州連合(EU)だが、2016年の援助額は米国の半分以下だった。

(英語記事 Trump threatens stop to Palestinian aid over Jerusalem row