2018年01月04日 12:18 公開

イラン全土に反政府デモが拡大するなか、同国革命防衛隊のモハマド・アリ・ジャハリ司令官は3日、「反乱は終わりだ」と述べた。

3日には、政府を支持する何万人もの人々が集会を開き、反政府デモへの対抗を求めた。

先月28日にイラン北東部マシュハドで最初に起きた反政府デモで、これまでに21人が死亡した。デモは当初、物価の上昇や汚職への抗議だったが、政府に対する幅広い不満を訴えるデモに変化した。

今回のデモは、2009年に大統領選の結果を受けた抗議活動が激化して以来の規模となっている。

ジャハリ司令官は、「96年反乱はきょうで終わりだと言える」と述べた。98年とはイランが使用する暦の現在の年、1396年を指す。

同司令官は、「治安の備えや人々の警戒」が「敵」の敗北につながったとし、革命防衛隊は「3つの州で限定的な形」で介入したのみだと語った。その上で、「それぞれの場所で最大1500人が(デモに)参加していて、問題を起こした人物の数は全国で1万5000人を超えなかった」と話した。

ジャハリ氏は、反革命分子や王党派、「イランに暴動や無政府状態、不安定化をもたらし、計略を実行するようクリントン(元米国務長官)から告知を受けた」勢力が反政府デモを起こしたと主張し、「敵たち」が「イスラム主義イランに対する文化、経済、治安面での脅威」をもたらそうとしたと述べた。

イランの最高指導者アリ・ハメネイ師も2日に、「敵たち」がデモ扇動したと同様の発言をしている。「敵」が何を指すのか示されていないが、専門家らは米国やイスラエル、サウジアラビアを念頭に置いたものだとみている。

一方のジャハリ氏はさらに、「元政府高官」がデモを扇動したと語った。専門家らは、サデグ・アモリ・ラリジャニ司法権長顧問を始めとする現職の政府高官らに対する批判を最近強めているマフムード・アフマディネジャド前大統領を指すものだと考えている。

政府支持者たちの集会

イランの国営テレビは、政府支持者たちの集会を一部生放送した。集会は西部のケルマンシャーやイラム、北東部ゴルガンなどで開かれた。参加者たちはイラン国旗やハメネイ師の写真を掲げていた。

イラン中央北部のコムでは、参加者たちが「米国の傭兵たちに死を」と唱えていた。このほか「我々の体の中を流れる血は我々の指導者への捧げもの」、「扇動する暴徒は処刑されるべき」といった言葉が唱えられていた。

反政府デモは続いているのか

ロイター通信は、3日の日没後に西部ハマダン州のマラーイエルで新たな抗議デモが起きたと伝えた。参加者たちは、「人々は物乞いをしている。最高指導者は神のようにふるまっている」と唱えたという。

ソーシャルメディアに投稿された動画は、北部ノウシャハルで開かれたデモ参加者たちが「独裁者に死を」と唱える様子をとらえている。ロイター通信は、ハメネイ師への抗議で同様の言葉が使われてきたと指摘した。

このほか、ゴハルダシュトで建物が燃えている様子をとらえた動画も投稿されている。

AP通信によると、3日に確認された動画には、テヘランの南西360キロの場所にあるヌール・アバドで、ハメネイ師の写真を破り捨てるデモ参加者の姿がうつっている。映像が撮影された日時は分かっていない。

一方、革命防衛隊は発表文書で、イラクのクルド人自治区と国境を接する西アゼルバイジャン州ピランシャフルで治安当局者3人が殺害されたと述べた。

しかし、同地域ではイラク側に拠点を置くクルド系分離派との衝突が時折起きており、治安当局者への攻撃は反政府デモとは関連していないとみられる。

米国の対応

ドナルド・トランプ米大統領は、デモ参加者を支持するツイートを頻繁に出しており、3日朝にも、「腐敗した政府から自分たちの政府を取り戻そうとするイランの人々をとても尊敬する。合衆国は適切な時期に大きな支援をするだろう!」とコメントした。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/948548807612084224

2日には、外国の敵がデモを扇動しているとのイランの主張に対し、ニッキー・ヘイリー国連大使が「全くのナンセンス」だと反論した。ヘイリー大使は、「イランの人々は自由を求め声を上げている。自由を愛する全ての人が彼らの運動を支持すべきだ」と述べた。

トランプ大統領は、イランが核開発を抑制する代わりに同国への経済制裁を緩和した2015年の欧米6カ国とイランとの合意をめぐり、合意を破棄し経済制裁を再開するかどうかを、今月半ばまでに判断する必要がある。トランプ大統領は、合意はまずい取引だったと繰り返し述べてきた。

(英語記事 Iran protests: General declares 'sedition' defeated