佐野秀光(「支持政党なし」代表、「安楽死党」代表)

 日本では現在、安楽死制度が法律で明示的に容認されていません。ですが、私は全国民に安心感を与えるためにも安楽死制度が必要だと思います。

 私は政治団体「支持政党なし」の代表として国政選挙を経験しているかたわら、政治団体「安楽死党」の代表も務めています。過去に2012年12月の衆院選では安楽死党として、2010年7月の参院選と2009年8月の衆院選では「新党本質」という政治団体名で「日本でも安楽死制度を」と訴えて立候補しており、日本で安楽死制度の必要性を主張して国政選挙を戦ったことがある唯一の政治団体の代表です。

 そもそも人間は生まれてきた時から、人それぞれ多様な考え方があり長生きしたいと思う人もいる一方で、逆に死にたいと思う人がいるのも自然です。一時期、自殺者も年間3万人以上にのぼり、現在は2万1000人近くに減少はしていますが、死にたいと思う人がたくさんいるのは事実です。

 長く生きたいと思う人の気持ちを尊重するのは当然ですが、死にたいと思っている人の気持ちを尊重するのも本来の「人間の尊厳」を重視することとして大切ではないでしょうか。むしろ死にたいと思っている人に安楽死を認めない方が「人間の尊厳」を損なうのではないでしょうか。
※iStock
※iStock
 現在でも海外では安楽死制度を認めている国もありますが、病気などによる終末期や他に苦痛の緩和の見込みがないなどという医学的な病症や疾患を伴うことが条件になっています。安楽死先進国のオランダでは健康上の問題がなくても「生きるのに疲れた」などと訴える高齢者にも安楽死の適用を広げるという政府の提案が波紋を呼んでいるようですが、私は賛成です。

 自分が将来、病気になって治る見込みもなく痛くて苦しい時に、楽に死を選べるというのは安楽死制度の基本として大事ですが、人間の悩み苦しみというのは肉体的なことだけに限らず多岐に渡ります。だからこそ健康上の問題がある時に限らず健康上の問題がなくても安楽死を認めることは「人間の尊厳」を重視する上で大変重要だと考えています。

 私の提唱する安楽死制度というのは、人生の終末期や他に苦痛の緩和の見込みがないという医学的な病症や疾患を伴う場合はもちろんのこと、65歳以上の高齢者にも安楽死を認めたいという思いがあります。さらには健康上の問題がなく、65歳以上の高齢者でなくても安楽死を希望する場合には臓器提供を条件として安楽死を認めるべきです。