2018年01月10日 10:53 公開

9日に板門店で開かれた韓国と北朝鮮の2年ぶりの南北高位級当局者協議で、双方は軍事的な緊張緩和のため軍事当局者の協議も開催すると合意した。これに先立ち北朝鮮は、2月に開かれる平昌冬季五輪に選手団を派遣すると表明していた。

9日午前から夜まで続いた協議の後、両国は「共同報道文」を発表。北朝鮮が平昌冬季五輪に選手団や高官級代表団を派遣することや、軍事当局者間の会談を開催することのほか、韓国と北朝鮮が「朝鮮半島問題の当事者」として「対話と交渉」で問題を解決していくと明記した。

韓国政府によると、両国はさらに、2年前に停止され、今月3日に再開されたばかりの両国間の直通電話回線(ホットライン)を継続すると合意した。しかし、北朝鮮の代表団は核開発の停止については、消極的だったという。

米政府は、南北会談の成果を慎重に歓迎している。国務省は、北朝鮮の冬季五輪参加が国連制裁に違反しないよう、韓国当局と緊密に協議しているとコメントした。

国連制裁との兼ね合いについて韓国は、北朝鮮の五輪参加を可能にするため、国連と調整しながら関連制裁の一時的解除を検討すると話している。

対話を継続

共同報道文に盛り込まれた内容によると、南北は平昌冬季五輪とパラリンピック大会の成功に向けて、積極的に協力することで合意した。北朝鮮は平昌冬季五輪に選手団のほか、応援団、芸術団、観戦団、テコンドー団、記者団を派遣する。韓国は必要な便宜を保証する。

さらに両国は、関係改善のため不特定の「多様な分野」で、交流と協力を活性化すると合意した。

また韓国政府によると、 緊張悪化につながる敵対的行為の中止を北朝鮮に求めたところ、北朝鮮は、半島の平和的環境を保障する必要があると合意したという。

韓国政府は協議中、五輪開会式の共同入場や、五輪期間中の離散家族再会を提案したと明らかにした。北朝鮮がどう反応したかは明らかになっていない。

北朝鮮側代表を務める祖国平和統一委員会の李善権(リソングォン)委員長は、会談冒頭で、北朝鮮は協議について「真剣かつ誠実」で、協議が新年に「良い贈り物」をもたらすことを期待すると述べた。

双方の代表団は5人ずつで、両国首脳は協議の様子を同時中継で見ていたという。

金正恩氏の「新年の辞」を機に

韓国・平昌五輪組織委員会の李熙範(イヒボム)会長は昨年、平昌五輪に参加する北朝鮮の選手は、非武装地帯経由の韓国入国を認められるようになると話していた。

さらに新年になると、北朝鮮の最高指導者、金正恩氏が1日の「新年の辞」で、平昌冬季五輪への選手団派遣を検討していると発言し、3日には板門店で南北間を結ぶホットライン(直通電話回線)の再開を指示した。この回線の再開によって、韓国が高官級協議を直接提案した。

北朝鮮は、米韓合同軍事演習の実施を五輪後に延期することを条件に、協議再開を受け入れた。

米国では南北協議について、北朝鮮の狙いは米韓同盟にくさびを入れることだと、批判的な意見もある。

金正恩氏とドナルド・トランプ米大統領は互いを中傷し合う罵倒合戦を昨年から繰り広げており、新年には自分の机に「核のボタンがある」と述べた金氏に、トランプ氏は自分のボタンが「はるかに大きく強力だ」とツイートで言い返していた。

(英語記事 Koreas agree military talks to defuse border tension