実は、私が運営しているNPO法人8bitNewsでは毎年大学生のインターンたちが就職でマスメディアに記者やディレクター、カメラマンなどとして就職していきます。今回の件もありNHKの地域局に配属されたインターンのことが心配になり先日メールでやり取りをしました。「大丈夫かい? 働きすぎていないかな? 身体あっての取材だから」と質問を送ると、元気な様子でこう返ってきました。「ありがたいことに、とても勤務時間など配慮してもらえているので、のびのび健康に仕事をしています」

 本当に大切にしてほしいです。やる気に満ちた、思いのある職員たちがしっかり報道人としての使命を果たし続けることができる職場であってほしいと強く願います。

 先日、亡くなった未和さんを学生時代から知る方にお話を伺いました。

 未和さんは一橋大学に通っていた学生時代に、学生ラジオ局「BSアカデミア」のニュース班に所属していました。TBSキャスターとして活躍してきた下村健一さんなどが指導にあたったといいます。当時は大学4年生。下村さんはこう振り返っています。

毎回僕のダメ出しを受けては悔しがり、うまくいくと満面の笑みを浮かべていた佐戸“みわっち”。念願叶ってNHK記者になってからも、取材相手からの信頼はとても厚かった。 出典:下村健一さんtwitterより

 下村さんは2017年7月、メディアリテラシーを伝えるため絵本を出版しました。挿絵には現場から子どもたちにニュースを伝える女性が描かれています。笑顔でマイクを握るこの女性こそ佐戸未和さんです。「みわっちの報道に対する真摯な姿勢を次の世代に伝えたい」。下村さんの絵本には若くして命を落とした彼女への強い思いが込められています。

米軍ヘリコプターが墜落した沖縄国際大学で消火作業する消防士ら=2004年8月、沖縄県宜野湾市
米軍ヘリコプターが墜落した沖縄国際大学で消火作業する消防士ら=2004年8月、沖縄県宜野湾市
 そうした中、この10月、沖縄県東村高江集落で米軍の大型輸送ヘリコプターCH53が炎上する事故が発生しました。実は未和さんは2004年8月に沖縄県の沖縄国際大学に墜落した米軍ヘリの事故について現場で取材しリポートを製作しています。「彼女が生きていたら、今回の事故をどのような目線で取材し発信していたのだろうか。きっと伝えたいことがたくさんあったに違いない」下村さんはかつて指導した元学生たちと共に当時のリポートを再び社会に発信することを決めました。BSアカデミアが解散されてからはお蔵入りになっていた貴重な映像です。

 下村さんは、私が仲間と運営するニュースメディア「GARDEN」に当時の動画とそれに合わせた記事を寄稿してくれました。こちらに転載します。ぜひ見てみてください。未和さんが丁寧な取材で沖縄の米軍基地の問題を多角的な目線で発信しています。彼女の想いを再び今に。多くの人々に届くことを願っています。