2018年01月11日 13:37 公開

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日午前、大統領府で就任後初めて新年の記者会見を行い、北朝鮮との南北閣僚級会議が2年ぶりに実施できたのは、ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮に圧力をかけ続けたことも一因だと述べ、「大いに評価されるべきだ」と話した。

文大統領は記者会見で、南北朝鮮の協議「実現についてトランプ大統領は大いに評価されるべきだ」と述べ、「米国主導の制裁や圧力の成果かもしれない」と評価。トランプ氏に感謝したいと話した。

トランプ氏は4日、「『ダメ』な専門家連中は色々いったけど、北に向けて我々の『全力』を注ぎこむ姿勢を僕が断固として強力に見せなかったら、南北がたったいま話し合いと対話してるはずがない。そんなこと本気で思っている人はいるのか。馬鹿どもが。でも話し合いはいいことだ!」とツイートしていた

ソウルで取材するBBCの記者たちは、文大統領は北朝鮮と米国の間で難しい綱渡りをしていると指摘する。北朝鮮との対話は重要だが、北朝鮮への経済制裁を妨害するつもりはなく、米国の機嫌を損ねることも避けたい事情が、文大統領の発言につながったと特派員たちは見ている。

板門店で9日に行われた閣僚級協議の結果、北朝鮮が平昌冬季五輪に選手団や高官級代表団を派遣することや、両国が軍事当局者間の会談を開催することなどが決まった。

10日には、北朝鮮の代表が1人、国際オリンピック委員会(IOC)本部を訪れ、平昌冬季五輪への選手団派遣のため正式な手続きをとった。

文大統領はさらに、核兵器のない朝鮮半島の実現に向けてあらためて意欲を示した。一方で閣僚級会議に臨んだ北朝鮮の代表団は、軍当局者の協議実現には合意したものの、核問題に関する話し合いには応じなかったという。

ロシア外務省は、軍当局者の会談合意を歓迎。「朝鮮半島の緊張緩和と地域の安定につながると期待する」とコメントした。

トランプ氏は昨年5月の時点で、条件が整えば北朝鮮の最高指導者、金正恩・朝鮮労働党委員長と会う用意があると発言していた。


<解説>五輪のために緊張は一時お預け――ジョナサン・マーカスBBC防衛外交担当編集委員

文氏の発言はそのまま、いかに難しい綱渡りをしているかの表れだ。確かに、北朝鮮が外交交渉を試してみる気になったのは、トランプ氏の強硬姿勢のせいだったというのは、ありえない話ではない。しかし、南北朝鮮のこうした協議は、北の核開発などより根本的な問題についても、解決の糸口になるのだろうか。

はっきりしていることが2つある。

北朝鮮は核保有を諦めるつもりはまるでなく、核攻撃力を実証するために実験を続ける必要がある。

そして米政府は、米国本土への攻撃力を北朝鮮が保有することは決して認めないという姿勢だ。

つまり、南北朝鮮の関係改善は五輪期間中に一時的な緊張緩和をもたらすかもしれない。しかしその後はどうだろう?


(英語記事 Trump deserves credit for Korea talks, says President Moon