第2に、憲法改正国民投票が政治的アジェンダにのぼり、国民が主権者としての選択を迫られる立場に置かれると、それまで無関心だった人々ですら、真剣に自分たちで問題を考え議論するようになるということを、これまで世界中で行われてきた2500件以上の国民投票についてのデータを網羅的に収集し解説した最近の文献(今井一・他編著『国民投票の総て』[国民投票/住民投票]情報室、2017年)に基づいて私は指摘した。これに対し、なんと村本は「英国のEU離脱国民投票は、国民が離脱派のフェイク・ニュースにだまされてやったんでしょう」と言ったが、これは「国民投票は危険なポピュリズムの温床になるから、やめろ」と主張する護憲派エリート学者がよく行うのと同じ反論である。
(iStock)
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 英国国民投票では投票前に、多数の国民が参加した公開討論やテレビ広告などで離脱派のEU分担金などに関する偽情報は徹底的に批判され、EU残留と離脱とのコストと便益に関する適切な情報が提供された上で、EU離脱派が勝利したこと、離脱派のフェイク・ニュースに国民がだまされたという主張の方が、負けた残留派が国民投票の後に流布させたフェイク・ニュースであることを前掲文献の調査報告に基づいて私は指摘した。EU離脱英国国民投票が離脱派による「愚民誘導」の結果だとする虚偽の情報を日本で流布させているのは、国民投票を危険なポピュリズムとして否定することで、9条をめぐる憲法改正国民投票の機会を国民から剥奪しようとしている護憲派学者たち、国民を愚民視する「エリート知識人」たちである。村本は、エリート知識人ぶって、「国民投票=愚民誘導」論を恥ずかしげもなく振りかざしている。国民を愚民視しているのは私ではなく、彼である。

 国民を愚民視する護憲派のエリート主義を批判し、村本にもかかる愚民観があることを指摘した私を、愚民観に立つ権威主義者としてネット上で批判する村本は、私の発言と反対のデマを流して自己保身を図るデマゴーグである。しかし、残念なのは、ネットで動画投稿されている「元旦朝生」すら見ずに、あるいは見たとしても、議論内容を自分で理解しようとせずに、村本のデマを信じて私に反発するネット追従者たちである。