2018年01月22日 15:34 公開

クリス・ジョンソン、BBCビジネス担当記者

米ネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムが22日、初のレジなしスーパーマーケットをシアトルで開店する。無人で、セルフレジもない新店舗は、私たちの食料雑貨の買い物に革命をもたらすかもしれない。

アマゾンはレジなし無人スーパー「Amazon Go」の試験運用を1年前に開始。同社従業員が試験的に使ってきた。

店舗の天井に並べた多数のカメラで個々の顧客を特定し、どの客がどの商品を選ぶかを追跡することによって、店内精算が不要になった。

会計は利用者が店を出る際に、クレジットカードに請求される仕組みだ。

客は入店前に「Amazon Go」のスマートフォンアプリを起動し、スキャンする必要がある。利用者が商品を取るごとに、商品棚のセンサーが作動して、料金が加算される。商品を棚に戻せば、会計から引かれる。

このスーパーは2016年12月にアマゾンの従業員向けに開店した。当初は一般向けにも、もっと早く開店する予定だったが、関係者によると、似た体型の客の区別ができなかったり、子供が商品を間違った棚に戻した場合に対応できなかったりと、いくつか問題が散発したため、立ち上がりが遅れた。

「Amazon Go」の責任者を務めるジャナ・プリーニ氏は、試験期間の運用は順調だったと話す。「今までなかったテクノロジーで、最先端のコンピュータビジョンと機械学習を、一気に前に進めるものだった」。

アマゾンは、「Amazon Go」の店舗数を今後拡大するかどうかは、明らかにしていない。同社が昨年137億ドル(約1兆5000億円)で買収した米スーパー「ホールフーズ・マーケット」と、「Amazon Go」の運営とは切り離している。

数百カ所にあるホールフーズの店舗に、「Amazon Go」の技術を導入する計画は今のところない。

ただし、買い物がすばやくできるほうが客はリピーターになる可能性が高い。これは小売業者にとって常識だ。

スーパーのレジで延々並ぶいやな体験が過去のものになれば、小売業者にとっては他社との競争が一気に有利になる。

一方で、アマゾンが実店舗型の小売業に進出するのは、これが初めてではない。本社があるシアトルで2015年に、初の実店舗書店「アマゾン・ブックス」を開いた。米国内で現在、昨年ニューヨークで開いたものも含め12店展開している。また、ポップアップストアも複数展開している。

昨年10月に発表した第3四半期決算で、アマゾンは初めて実店舗の売上を発表した。結果は12億8000万ドル(約1400億円)。しかし、そのほとんどが買収したホールフーズ・マーケットでの売上だった。

アマゾンにとって実店舗はまだ、大きな収益源ではないかもしれない。しかしアマゾンは、実店舗を通じてブランド認知度を高め、無料配送サービスなどを受けられる「プライム会員」の数を伸ばそうとしているというのが、複数のアナリストの見方だ。たとえばアマゾン・ブックスで本を買う場合、プライム会員でない人は通常価格を払うが、プライム会員はより安いネット価格で本を手に入れられる。

ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は昨年10月、今後数カ月から数年にかけて、アマゾンが手掛ける小売店がさらに増えるはずだと示唆した。

オルサブスキー氏は当時、「我々はもっと拡大する。まだ早い段階にあるが、時間をかけてプランを発展させていく」と話していた。

(英語記事 Amazon opens a supermarket with no checkouts