2018年01月22日 17:19 公開

米連邦政府のつなぎ予算案をめぐる与野党の協議で、上院の採決が22日正午(日本時間23日午前2時)に延期されたことから、週明けも政府機関の一部の閉鎖が続く見通しとなった。

このため何十万人もの連邦政府職員が、22日に平日が始まっても仕事に取り掛かれない状況になっている。

議会では、暫定予算が19日で期限切れになるのに伴い、上院でつなぎ予算の協議が続いていたものの、20日午前零時までに合意にいたらず、一部政府機関の閉鎖が始まっていた。

上院は、週明けには政府機関が機能できるよう、週末も協議を続けるという異例の対応をした。しかし、妥協が成立する兆しは見られず、共和、民主両党の議員らはお互いに、責任は相手側にあると主張している。

民主党は、予算案の審議に抱き合わせる形で、移民政策についてドナルド・トランプ大統領との交渉を求めているが、共和党は連邦政府の業務が停止している間は合意は不可能だとしている。

共和党は、メキシコとの国境に建設する壁を含む国境管理の強化の予算や移民政策の改革のほか、国防予算の増額も求めている。

上院は21日午後9時半に審議を再開したが、当初22日未明に予定されていた採決は同日午後に延期された。

つなぎ予算で合意ができなかったため、多くの連邦政府職員は、給与が支払われない「自宅待機」を余儀なくされる。

トランプ大統領は20日、行き詰まりを打開するために「核のオプション(最終手段)」として、単純多数による議決を提案した。定数が100人の上院では、議事妨害を終わらせ採決に持っていくために60人の賛成を必要とする規定がある。

トランプ大統領はツイッターで、「共和党議員たちが我々の軍や国境の安全のために激しく闘ってくれている様子は素晴らしい。民主党は、違法移民がこの国に無制限に流入するのを望んでいる。行き詰まりが続くなら、共和党は『核オプション』の51%を目指し、予算継続決議でなく、本当の長期的な予算の採決をすべきだ」とコメントした。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/955056249925750784

与党・共和党の現勢力は51議席のため、予算の可決には一部の民主党議員が賛成する必要がある。

政府機関閉鎖の最も最近の例は2013年で、当時は16日間続いた。政府の生産性の損失は20億ドル(現在の為替レートで約2215億円)に上り、米行政管理予算局(OMB)は「経済に相等なマイナスの影響があった」と述べていた。

なぜ合意できないのか

ひとつの政党が上下両院で多数を占め、大統領の政党も同じという状況で政府機関の閉鎖が起きるのは初めて。現在は共和党がその立場にある。

19日の上院では、採決に進む動議が賛成50対49で否決された。多くの主要な点で意見の対立が残るためだ。

民主党は、幼少期に米国につれてこられた不法移民70万人以上が強制送還されないための措置を求めている。

民主党のディック・ダービン上院議員(イリノイ州選出)は20日、米CBSテレビとのインタビューで、「数時間、数日での解決を望んでいる。しかし、実質的な内容のある答えをもらわなくてはならず、それができるのはトランプ大統領だけだ。これはトランプ氏による政府閉鎖だ」と話した。

しかし、中東を訪問しているマイク・ペンス副大統領は駐留米軍の前で行った演説で、「彼ら(民主党)が政府機関閉鎖を終わらせ、我が国の兵士たる皆さん、そして皆さんの家族が受け取るべき手当てや給与を手にするまでは、違法移民に関する交渉は再開しない」と述べた。

政府機関の閉鎖とは?

米政府の予算は、毎年10月1日に新年度が始まる前の承認が必要。

しかし、議会承認が期限に間に合わず、交渉が年明けまで続くことも珍しくない。その際には暫定的な措置として、各政府機関に振り分けられる前年度の予算が延長される。

今回延長で合意できなかったため、多くの政府機関は20日午前零時01分をもって閉鎖状態となった。

22日には、住宅都市開発省や環境保護庁、教育省、商務省の職員のほぼ全員が自宅待機扱いになる。財務省、保健福祉省、国防総省、運輸省の職員の半数も自宅待機となる。

ただし、国家安全保障や郵便、航空管制、入院医療、救急医療、災害援助、刑務所、税務署、発電などの「人命や人的資産」にとって不可欠な政府サービスは継続される。

トランプ政権は、国立公園も開園し続けると表明した。2013年に国立公園が閉鎖された際には、市民から怒りの声が上がった。

2013年当時の政府閉鎖について、当時の行政管理予算局(OMB)は生産性損失の総額は20億ドルに相当し、国の「経済の深刻なマイナスの影響を与えた」と総括していた。

トランプ氏が就任してからちょうど1年にあたる20日に、政府機関の閉鎖は始まった。

また、トランプ大統領は23日からスイスで始まる世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に来週出席する予定だったが、出席するかどうかは不透明な情勢となっている。

(英語記事 US shutdown: Government services closed as working week begins