武者陵司(投資ストラテジスト)

 2018年はすべての条件が整い、勇気凛凛(ゆうきりんりん)新たな船出に向かう、という年になるのではないか。ここ数十年、これほどの好条件で新年を迎えることは初めてである。平成最後の年は新たな繁栄時代の幕開けの年である、と考える。

 世界同時好況に弾みがつき、世界経済に陰りが全く見られない。国際通貨基金(IMF)をはじめ各調査機関は軒並み、日米欧先進国経済の2017年、2018年見通しを上方修正した。消費に加えて投資の増加趨勢(すうせい)が顕著になっている。それは日本の機械受注、半導体製造装置のBBレシオ(出荷額に対する受注額の割合)、米国の耐久財や非国防資本財受注などに顕著に表れている。一様に先進国の失業率は大きく低下し需給ギャップは着実に縮小しており、賃金・物価に上昇圧力が高まるのは必至であろう。
2018年1月4日、大阪取引所の大発会で、上げ幅400円を超えた日経平均株価のボードを背に写真撮影に臨む晴れ着姿の女性(鳥越瑞絵撮影)
2018年1月4日、大阪取引所の大発会で、上げ幅400円を超えた日経平均株価のボードを背に写真撮影に臨む晴れ着姿の女性(鳥越瑞絵撮影)
 金融政策は米欧で超金融緩和の転換が始まりつつあり、日本でも一段の緩和は見合わされている段階である。1980年以降、30年以上にわたって続いた長期金利の低下トレンドは2016年に底入れしたが、2018年は緩慢とはいえ、金利上昇傾向がさらに顕著になるだろう。

 この趨勢をリードする米国では需給ギャップの顕著な縮小と賃金物価圧力の上昇がみられる。レーガン期以来、30年ぶりの本格的税制改革がさらに需要を押し上げるので、それは当然ドル高をもたらす。新産業革命の下で超過利潤を謳歌(おうか)する企業業績は好調であり、債券から株式への投資ウエートの転換、グレートローテーションは一段と進むだろう。

 その上、日本では価格競争(ナンバーワン戦略)から抜け出し、技術品質のみに特化した新たなビジネスモデル(オンリーワン戦略)が咲き誇ろうとしている。ハイテク分野でもインバウンドでも、求められているものは日本の質である。世界的なIoT(モノのインターネット)関連投資、つまりあらゆるモノがつながる時代に向けたインフラストラクチャー構築がいよいよ本格化している。

 加えて、中国がハイテク「爆投資」に邁進(まいしん)している。中国は投資によって経済成長が維持されている国家だが、換言すれば投資を止めた途端、経済成長も止まり、直ちに経済危機に陥る心配がある。その国がハイテクに照準を絞って巨額な投資を始めている。