日経平均が16連騰するなど株式市場は活況を呈しているが、その勢いをかって日本経済を成長路線に乗せるには、2019年10月に予定されている消費税10%引き上げの「再々々延期」が必要だ。

 増税を公約して選挙で国民の信任を受けた安倍晋三・首相が、増税を撤回する可能性はあるのか。国政選挙5連勝で再び求心力を取り戻した安倍首相は、消費税凍結を言える力を取り戻したといえる。2019年夏の参院選で「やはり五輪前に景気の腰を折るわけにはいかない」とやりたかった増税凍結を掲げて戦う可能性もある。

 仮に、凍結を決断した場合、株価へのインパクトは絶大だ。消費税10%への増税を最初に延期した2014年秋の株価の動きがそれを示している。
2016年6月、記者会見で消費増税の2年半延期を正式発表する安倍晋三首相(宮崎瑞穂撮影)
2016年6月、記者会見で消費増税の2年半延期を正式発表する安倍晋三首相(宮崎瑞穂撮影)
 その年4月の消費税率8%への引き上げで不況が深刻化すると、首相は「経済状況を見て総合的に判断する」と増税延期の検討に入った。日経平均株価は増税実施後の4月11日には1万3960円まで年初から14%(約2300円)も下がったが、増税延期への期待で一気に急騰をはじめ、10月17日の1万4532円から11月14日には1万7490円までわずか1か月で20%(約3000円)もハネ上がったのだ。その4日後、首相は正式に増税延期と衆院解散を表明した。

「増税延期」で株価3400円アップの効果なら、消費税引き上げを「凍結」すると表明すれば株式市場にも景気にもそれ以上のインパクトを与えるのは間違いない。

「リーマンショック級の出来事が起こらない限り、消費税を予定通り引き上げる」

 総選挙の投開票日、安倍首相は民放テレビ各局の選挙特番に相次いで出演してそう繰り返した。

 だが、この言葉は首相が伊勢志摩サミット後の2016年6月に2回目の増税延期を表明する直前まで国民に語っていたのと全く同じセリフだ。そして、「リーマンショック級の出来事」は起きなかったにもかかわらず、増税は見送った。

 2度あることは3度ある。恥も外聞も捨てて安倍首相が「国民生活本位」の判断をできるかどうかに、景気と株価の行方がかかっている。

関連記事