金正恩氏の妹、韓国到着 五輪開会式では南北の選手が共に行進

『BBC』

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2018年02月09日 19:52 公開

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の実妹、金与正(キム・ヨジョン)氏が9日午後、平昌冬季五輪の開会式出席のため、チャーター機で韓国・仁川空港に到着した。北朝鮮最高指導者の直系血族が韓国を訪れるのは、朝鮮戦争以来初めて。五輪開会式では、北朝鮮と韓国の選手たちが、統一旗の下で共に行進した。

与正氏は、北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長を団長とする高位級代表団の一員として、韓国入りした。金永南氏は各国首脳の歓迎レセプションで、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と握手を交わした。

レセプションで文大統領は、「平和が始まった日」として平昌五輪が記憶されるようになることを願うと挨拶した。聯合通信によると、大統領は10日にも北朝鮮代表団と会談する予定。

与正氏は兄の正恩氏と特に近い関係にあると言われ、党宣伝扇動部副部長を務める。

レセプションには、マイク・ペンス米副大統領や日本の安倍晋三首相も出席した。韓国政府筋によると、安倍首相も金永南氏と握手したという。

一方で、ペンス副大統領は金永南氏とすれ違ったが、聯合通信によるとお互い直接の対面は避けようとした。副大統領はレセプションを5分で退席したほか、金永南氏との同席が予定された夕食会を欠席したという。

五輪開会式では、ペンス氏、金永南氏、金与正氏は、お互いに近い席に座っていた。

開会式では南北朝鮮の選手たちが統一旗の下で行進した。北朝鮮は選手22人のほか、応援団など400人の代表団を派遣した。

ただし、北朝鮮の国営テレビは開会式を生中継せず、代わりに愛国歌を流したり、軍や産業を称えるスローガンを放送したりしていた。

北朝鮮が核・ミサイル開発を進めるなか、平昌五輪を機に南北朝鮮の融和ムードが高まっている。ただし、朝鮮半島をめぐる根本的な緊張関係が終わるわけではないと、複数の専門家が指摘している。

与正氏は、兄の正恩氏より4歳年下の30歳前後とみられる。

実の妹を韓国に派遣するのは、正恩氏が南北関係改善に本気だという印と受け止められている。

BBCのソウル特派員、ローラ・ビッカー記者によると、与正氏が兄の親書を携えているのではないかとの推測もある。

(英語記事 Kim Jong-un's sister Yo-jong in S Korea for Olympics