2018年02月14日 11:22 公開

米国家情報長官は13日、トランプ政権で複数の大統領側近が身辺調査を基にした機密取扱権限を与えられていないことに懸念を表明した。上院情報委員会で証言し、正式な権限を与えられていない職員には、機密情報への閲覧を制限すべきだと述べた。

ダン・コーツ国家情報長官は、機密取扱権限の審査手続きは「壊れている」ため、改革が必要だと述べた。上院情報委公聴会はこの日、米国が直面する様々な脅威について質問するため、各情報機関の責任者を集めていた。

2人の元妻に対する暴力疑惑で辞任したホワイトハウスのロブ・ポーター秘書官のほか、ドナルド・トランプ大統領の娘婿で側近のジャレッド・クシュナー補佐官も、連邦捜査局(FBI)の身元調査に基づく正式な機密取扱権限を与えられないまま職務にあたっているという報道について、コーツ長官は答えた。

民主党のマーティン・ハインリック上院議員(ニューメキシコ州選出)の質問を受けて、コーツ長官は「時には、空きポストを埋めるために何らかの予備的な許可が必要となる」と述べた。

「ただしその場合は、受け取れる情報の種類において、取扱可能な範囲は制限されなくてはならない」

コーツ長官はさらに、連邦政府全体では機密取扱許可について現在70万件の申請が未処理で保留のままだと述べた。

「この手続きは壊れている。改革が必要だ。これは進化ではなく革命だ」

ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は、仮の機密取扱権限しか与えられていないホワイトハウス職員の人数について、明らかにしなかった。

「前政権と同じ手続きに従っている。この手続きを変える必要があるなら、捜査当局や各情報機関がどう判断するかによる」

この日の公聴会ではさらに、FBIのクリストファー・レイ長官もポーター前秘書官の家庭内暴力疑惑について委員会の質問に答えた。ホワイトハウスが疑惑をいつ認識したかのタイミングについてレイ長官は、政府の説明とは異なるように聞こえる答弁をした。前秘書官は元妻2人への暴力を否定している。

レイ長官によると、FBIは昨年3月の時点ですでにホワイトハウスに、ポーター氏の身辺調査で問題が発覚していると伝えていた。昨年7月に身辺調査を終え、ホワイトハウスからの要請で11月に追加情報を提供し、今年1月に調査手続きを終了した。今月初めになって追加情報を得たため、それもホワイトハウスに伝えたという。

これに対してホワイトハウスは、ポーター氏の疑惑を英紙デイリー・メールが今月6日に伝えた時点で、サンダース報道官もジョン・ケリー首席大統領補佐官も、ポーター氏は「誠実」な「名誉ある」人格者だと称えていた。また、ポーター氏が7日に辞任した段階では、身元調査は「継続中」だと説明していた。

トランプ政権はさらに、クシュナー大統領補佐官が正式な機密取扱権限のないまま、機密情報を得ているのではないかと疑問視されている。

ジョン・ケリー首席大統領補佐官(左)はロブ・ポーター前秘書官を擁護したことについて批判されている

米紙ワシントン・ポストによると、クシュナー氏は暫定的な機密取扱権限しか得ていないにもかかわらず、大統領に毎日届けられる最高レベルの機密報告「大統領日報(PDB)」を読むことができる。同紙は、トランプ大統領自身はPDBを読もうとしないとも伝えている。同紙によると、クシュナー氏をはじめ数十人のホワイトハウス職員が、正式な機密取扱を許可を待っている状態だという。

クシュナー氏の担当弁護士アビー・ローウェル氏は、クシュナー氏の許可が下りるのに通常より時間がかかっているのは、「資産や渡航歴や申請内容が多いからだ」と声明を出した。

不動産開発業の資産家でもあるクシュナー氏は、ホワイトハウス入りする全員が記入しなくてはならない身元調査の回答に不備があったため、再提出している。

米身元調査局の責任者は昨年10月、連邦議会に対して、機密取扱許可申請で「これほどのレベルのミスは見たことがなかった」と話した。

(英語記事 Spy chief warns on Trump aides' clearance